[17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は17日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、経済活動は全般的に2月下旬から4月初旬にかけてわずかに拡大したとの認識を示した。同時に、企業の間でインフレ低下の進展の停滞が懸念されていると指摘した。 

報告書は「経済活動は全体的にわずかに拡大した。12地区のうち10地区でわずかな、あるいは控えめな経済成長が見られた」とし、「全体として、関係者の経済見通しは慎重ながらも楽観的だった」とした。

今月8日までにFRBの12の管轄地区で企業関係者を対象に調査した。

報告書は、全般的に企業は物価上昇のペースは平均して控えめだとしたものの、6地区はエネルギー価格の緩やかな上昇を指摘した。うち数地区にある主に製造業の企業は、投入価格と生産価格の両方に短期的には上振れリスクがあるとした。

コスト上昇を消費者に転嫁する力がここ数カ月「かなり弱まった」と企業は指摘した。報告書は「全体として企業は今後、物価上昇は緩やかなペースで推移すると予想した」と記した。

4月30日─5月1日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBは政策金利を5.25─5.50%に据え置くことを決めるとみられている。金利は2023年7月以来、この水準にある。

FRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数は24年2月に前年同月比2.5%上昇。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は2.8%上がった。

報告によると、雇用者数も全体的にわずかなペースで増えた。従業員の確保が以前より容易になったにもかかわらず、多くの地区で特定の職種を巡って資質を備えた応募者の不足が続いていると指摘された。

複数の地区は最近、賃金の前年比上昇率が平均値に戻ったと言及した。一例として、クリーブランド地区連銀管轄区内のレストラン経営者は「賃金が安定し、良質な人材を採用するために賃金を上げる必要がなくなった」とコメントした。