Takaya Yamaguchi Shinji Kitamura

[東京 2日 ロイター] - 1日終盤(日本時間2日早朝)のニューヨーク外国為替市場で、ドル/円が157円台後半から153.00円まで4円超下落した。その後は154円半ばまで戻し、取引が始まった東京市場では155円後半まで上昇している。市場では4月29日に続き再び介入観測が出ているが、日本政府は実施したかどうか明らかにしていない。

急落したのは、米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が終了してから約1時間後。市場筋によると、売りは断続的にまとまった規模で出て、損失確定の売りを巻き込みながらドルは157円半ばから40分ほどで153.00円まで4円超下落した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの外国為替・マクロストラテジスト、ジョン・ベリス氏は「介入したとみている。FOMC(米連邦公開市場委員会)後に相場がドル安方向に向かい、取引量が低下していた。介入するには良いタイミングだった」と話す。三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は「為替介入だった可能性が極めて濃厚とみている」とした上で、「投機筋としては直近高値の160円を不用意に試すことは難しくなった」と語る。

神田真人財務官はロイターに対し、「為替介入の実施の有無については何も申し上げることはない」とした。

ドル/円は日本が祝日だった29日にも5円超急落し、市場では介入観測が広がった。過去最大規模に迫る5兆円以上の円買い介入があったとの市場推計が出ているが、財務省はこのときも介入の有無を明らかにしていない。