Noele Illien

[チューリヒ 7日 ロイター] - スイス金融大手UBSが7日発表した第1・四半期決算は、純利益が18億ドルと予想の約3倍に達した。クレディ・スイス買収以来、四半期の黒字は初めて。

2024年から3年にわたる自社株買い計画を維持する方針を示した。

株主に帰属する純利益は同社提供のコンセンサス予想が6億0200万ドル、前年同期が10億ドルだった。

グループのウェルスマネジメント部門も第1・四半期の資産純流入額が270億ドルだったと報告。前四半期は220億ドルだった。

ただUBSは、貸出・預金の減少やスイスの金利低下が同部門に影響を与える可能性があるとし、「グローバル・ウェルス・マネジメント」の純金利収入は第2・四半期に1桁台前半から半ばの減少を見込んだ。

ボントベルのアナリストは「増収とコスト削減により、第1・四半期は予想を大幅に上回った」と指摘。クレディ・スイスから引き継ぎ、撤退を計画する「非中核」事業が主な押し上げ要因だと分析し、全ての事業部門が堅調な業績だったとした。

UBSによると、第1・四半期に10億ドルの総コスト削減を達成し、合併以来の削減総額は50億ドルに達した。年末までにさらに15億ドルの削減を目指している。

UBSとクレディ・スイスの合併は昨年6月に完了した。

UBSはまた、24年の資本還元目標を達成できるとの見通しも示した。

スイス政府は「大きすぎでつぶせない」とみなされる銀行に対する資本要件を引き上げる計画を発表した。UBSの株主への利益還元に影響が出るか注目されていたが、セルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)は7日、24─26年の自社株買い計画を維持すると表明した。

今年の10億ドルを上限とする自社株買いと、前年比10%台半ばの増配が含まれる。昨年の配当は1株当たり0.70ドルだった。