Rachel More

[7日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が7日発表した3月の輸出は米中の好調な需要を背景に増加したが、鉱工業受注は予想外の減少となった。市場では速やかな景気回復への期待が後退している。

3月の輸出は前月比0.9%増と、予想を上回った。ロイターがまとめた市場予想は0.4%増だった。2月改定値は1.6%減。

3月の輸出は米国向けが3.6%増、中国向けが3.7%増。欧州連合(EU)向けは0.5%増、第三国向けは1.3%増だった。

一方、3月の鉱工業受注は前月比0.4%減と、予想外の減少となった。予想は0.4%増だった。

ハウク・アウハウザー・ランペのエコノミスト、アレクサンダー・クルーガー氏は「受注状況を受けて楽観的な見方が後退した。輸出は望ましい水準を維持しているが、結局のところ、貿易黒字を押し上げたのは輸入だ。貿易は今四半期も経済成長を押し上げる要因になる」と述べた。

輸入は前月比0.3%増。2月改定値は3.0%増だった。

3月の貿易収支は223億ユーロの黒字。予想は222億ユーロ、前月は214億ユーロだった。

コメルツバンクのチーフエコノミスト、イェルク・クレーマー氏は鉱工業受注の低迷について、第2・四半期の国内総生産(GDP)が大幅なプラス成長にならないことを示していると指摘した。第1・四半期のGDPは0.2%増で、景気後退(リセッション)を回避した。