[ソウル 30日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は30日、中・長期的には金の追加購入を検討する可能性があるが、現時点で追加購入は考えていないと述べた。

中銀が金の購入についてコメントするのは異例。金価格は今月、中東情勢の緊迫化を背景に最高値を更新した。

中銀のクォン・ミンス準備管理グループ長はロイターに「現在、直ちに金を購入する計画はない」とし「資産として金の追加購入を『検討』するには、外貨準備が十分に増加傾向にあることや外為市場が安定していることが必要になる。このため、中・長期的にしか検討しない」と述べた。

これに先立ち、準備管理グループはブログで、金に投資する際は慎重さが求められるが、金にはインフレヘッジやドルの代替資産になるというメリットがあると指摘。

最近の金上昇の主因は中国、ロシア、トルコなどの中銀による購入で、こうした国はドルへの依存低下や戦争への備えを目指していると分析した。

韓国中銀は昨年6月、金準備の保有を増やすよりドルの流動性を維持する方が望ましいと表明していた。

中銀は外貨準備として104.4トン(48億ドル相当)の金を保有。3月末時点の総準備高(4193億ドル)の1.1%を占める。13年以降、金は購入していない。