[ストックホルム 8日 ロイター] - スウェーデン中央銀行は8日、主要政策金利を予想通り4.00%から3.75%に引き下げた。インフレ見通しが維持されれば今年後半にあと2回利下げする可能性があるとも表明した。

利下げは2016年初め以来。一時10%を超えたインフレ率は、8回の利上げで、中銀の目標である2%近くまで下がった。

しかし経済は低迷。昨年の0.2%マイナス成長に続き、今年第1・四半期も縮小した。

中銀は声明で「インフレ率は目標に近付いている一方、経済活動は弱い」と指摘。「そのために金融政策を緩和することができる」と説明した。

ただ、利下げによって通貨スウェーデンクローナがさらに軟化し、インフレ圧力が強まることを懸念。「今後の金融政策の調整は慎重なものであるべきだ」とした。

クローナの対ユーロ相場は現在、08─09年の世界金融危機時とほぼ同水準にある。

今回、大半のアナリストは0.25%ポイントの利下げを予想していた。今後の焦点は利下げのペースになる。

キャピタル・エコノミクスの欧州エコノミスト、アンドリュー・ケニンガム氏は、6月は据え置きで、その後年末までに3回の利下げを予想しているが、「4月と5月のインフレ統計が予想より弱く、クローナがこれ以上下がらなければ、6月の利下げもあり得る」と述べた。