[ワシントン 9日 ロイター] - バイデン米大統領は、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ南部ラファで大規模な侵攻に踏み切っても、「イスラム組織ハマス壊滅という目標の達成にはつながらない」と考えている。ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が9日明らかにした。

さらに「米国が何らかの形でイスラエルに背を向ける、もしくはイスラエルによるハマス打倒を支援する意思がないといった主張は事実に反する」とも強調した。

イスラエル高官によると、人質解放や休戦に向けカイロで行われていた交渉は9日、双方の溝を埋めることができず終了した。イスラエル側はラファでの作戦を予定通り継続する計画という。

カービー氏は、イスラエル軍がラファで大規模な地上作戦に踏み切らないことを望んでいるとした上で、地上作戦の代替案を巡り米・イスラエル間の協議が進行中と明らかにした。

米国務省のミラー報道官も、ラファにおける大規模な軍事作戦が実施されれば、人質解放に向けたハマスとの交渉でイスラエルの立場は不利になるという米国の見解を明らかにした。さらに、合意文書の最終決定に向けて作業が進行しているものの、「信じられないほど困難」という認識を示した。