Nidal al-Mughrabi Mohammad Salem Jarrett Renshaw

[カイロ/ラファ/ワシントン 9日 ロイター] - パレスチナ地区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止と人質解放に向け、仲介国エジプトの首都カイロで7日から開かれていた間接交渉は合意に至らず、9日に終了した。関係筋が明らかにした。

ハマス代表団は仲介者が提示した停戦案を再確認し、カイロを離れたという。提案にはパレスチナ自治区ガザのイスラエル人の人質解放と、イスラエルが拘束している多数のパレスチナ人の解放が含まれている。

イスラエル高官も交渉が終了し、ハマスの人質解放案について留保する意向を仲介国に伝えたと明かした。また、ガザ最南部ラファなどでの作戦を予定通り続行すると述べた。

イスラエルのネタニヤフ首相は、本格侵攻すれば武器支援をやめると米国が強い警告を発する中、あらゆる手段で戦うと表明。ビデオ声明で「もし必要なら爪でも戦うだろう」とし、「だが、われわれには爪以上の力がある」と強硬姿勢を堅持した。

イスラエル軍のハガリ報道官は、作戦に必要な武器弾薬はあると強調した。

住民などによると、イスラエル軍は9日にラファで攻撃を実施。同市東部のブラジル地区で少なくとも3人が死亡、負傷者も出た。サブラ地区では住宅2軒への空爆で、女性や子どもを含む少なくとも12人が死亡したという。死者には過激派組織の司令官とその家族らが含まれていた。

一方、ハマスとイスラム聖戦はガザ東方に集結したイスラエル軍の戦車にロケット弾と迫撃砲を発射したと発表した。

米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は9日、バイデン大統領はイスラエル軍がラファで大規模な侵攻に踏み切ってもハマス壊滅という目標達成にはつながらなないと考えていると述べた。バイデン氏は前日、イスラエル軍がラファに大規模侵攻した場合、イスラエルへの武器供給を停止すると警告していた。

この警告について、イスラエルのヘルツォグ駐米大使は9日、イスラエル軍によるラファ侵攻計画を巡って依然として協議が行われている中で、こうした発言が公になったことは「誤ったメッセージを送ることになる」と反発した。