天満屋岡山店で開催中の個展が連日盛況の自閉症の画家・石村嘉成さん。嘉成さんの幼い頃をよく知る、かけがえのない人が会場に現れました。

RSK

嘉成さんの療育を導いた河島淳子さんが嘉成さんの描いた動物のアゴを指さして尋ねました。

RSK

(河島淳子さん)「ここにあるの、これ涎?」
(石村嘉成さん)「毛です」

河島さんは、口の周りを指さしてさらに問います。

(河島さん)
「ここ、タラっとしている」
(石村さん)
「顎のひげ」
(河島さん)
「顎のひげ?こんなにひっついているの?全部」

親しい様子の石村さんと河島さんに記者が問います。

(記者)
「お会いになるのは久しぶりなんですか?」
(石村さん)
「そうです」

RSK

28年前のトモニ療育センターで、石村嘉成さんはのけぞり悲鳴を上げていました。そんな嘉成さんは、2歳から6歳にかけて河島さんの療育に導かれました。

社会で生きていく為に必要な知識と人間性を育んだ嘉成さん。その礎を築いたのが河島さんの療育でした。

RSK

(河島さん)
「まさに今もう彼は完成しているんじゃないかと思うぐらいね。人格的に。そんな感じがする」

RSK

河島さんの目に止まったのは5歳の頃に描いたライオンでした。

(河島さん)
「なにか健康な心というか、なんかそのものが今も一緒だと思うけど、それが表れている」

嘉成さんが一言添えたお気に入りの版画があります。

RSK

(河島先生)
「私が好きなのは『負けるな、負けないぞ』。あの言葉を思い出すと私の生き方に対して、というか絶対やり遂げたいものがあるものだからね、この自閉症教育というか。(嘉成さんは)非常に健康的ないいものを持っていて、それらが私たちを励ましたりとか貴重な存在だと思う」

RSK

記者が「今、嘉成さんにかけたい言葉はありますか?」と問うと、河島さんは「もう充分いいんじゃないの。誇りに思っています」とほほ笑みました。

石村嘉成展は岡山市北区の天満屋岡山店で5月12日まで開催中です。