嬉野市新庁舎の完成予想図(市提供)

 嬉野市の2024年度一般会計当初予算は前年度当初比10・9%増の212億700万円で過去最大規模となった。21億4377万円の新庁舎整備関連費用が予算総額を押し上げた形で、子育てや教育、産業支援の事業も盛り込み、初めて200億円を超えた。

 市は老朽化した嬉野庁舎を建て直し、現行の2庁舎体制(嬉野、塩田)から1庁舎に集約する計画。12月に着工し、26年7月の開庁を目指す。本年度は5月から着手する嬉野庁舎第2庁舎解体工事に6500万円、新庁舎設計・監理業務1億1383万円、建設費用の一部19億2018万円などを計上した。

 教育や子育て関連は、オンライン英会話授業を小中全学年に拡大する事業に1990万円、大草野小の放課後児童クラブ施設建設に1557万円など。産業支援では、温泉を配湯している配管の現況調査を実施し、宿泊税など温泉資源保護のための財源の検討も進める。西洋野菜を特産品に育てる事業を継続し、うれしの茶のPRに力を入れる。

 歳入は、市税が前年度当初比2・4%増の26億2809万円、ふるさと応援寄付金は9・1%減の約30億円を見込む。(市原康史)

▶新庁舎整備関連事業【21億4377万円】

 老朽化した嬉野庁舎を建て直し、現行の嬉野、塩田の2庁舎体制から1庁舎に集約する。総事業費は約50億円を見込み、26年7月の開庁予定。今年5月には嬉野庁舎第2庁舎解体工事が始まる。

▶放課後児童クラブ整備事業【1557万円】

 大草野小の敷地内に放課後児童クラブ施設を建設。

▶英語活動支援事業【1990万円】

 タブレット端末などを活用し外国人講師とのオンライン英会話を実施。対象を小中学校すべての学年に拡大する。

▶郵送請求手数料キャッシュレスサービス事業【205万円】

 各種証明書の郵送請求の支払い方法をキャッシュレス化し、申請者と自治体双方の負担減を図る。

▶温泉配湯管現況調査【450万円】

 限りある温泉資源の保護を進めることで嬉野温泉全体の継続的な発展を目指す。

▶うれしの茶PR活動推進事業【200万円】

 キャラバン隊を結成し、関東・関西の大都市圏などでPR。うれしの茶の消費拡大を目指す。