中世武士の「命がけで所領を守る覚悟」に由来する言葉「一所懸命」が、何人もの首長から出た。鎌倉時代の元寇(げんこう)から750年。神風ですまさず「歴史を見つめ直し、地域活性化に向けて『一所懸命』に活動を」◆元が襲来した1274年の「文永の役」と7年後の「弘安の役」。活躍した鎌倉武士ゆかりの地が連携組織を設立した。4月22日の発足式には佐賀県内5市町をはじめ25自治体が参加。鷹島沖に海底遺跡がある長崎県松浦市が呼びかけた◆沈んだ元の軍船とみられる映像は記憶に新しい。唐津市肥前町と全長約1200メートルの橋で結ばれ、目と鼻の先にある鷹島。県境を越えるが、玄海原発からも最短8キロちょっと。発足式から3日後、松浦市長は今後の動きを見つつ「しっかり声を上げないと、との思いはある」(長崎新聞)◆高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場問題。玄海町議会が文献調査を求める請願を採択した。近隣の自治体には不安が広がるが、手続き的には推移を見守らざるを得ない段階だ◆きのう1日には国が調査実施を申し入れ、「熟考して5月中にも」とする町長の可否判断に焦点が移った。地域の将来をどう描いていくか。地元、周辺地域だれもが「一所懸命」ではあろう。賛成、反対、疑義など隔たりをなくしていくのは丁寧な説明と論議しかない。(松)