村上ふみ子さん(左)から紡ぎ方を学ぶ佐賀大芸術地域デザイン学部の3年生=佐賀市川副町の有明木綿

 佐賀大芸術地域デザイン学部の3年生12人が17日、佐賀市川副町の工房「有明木綿」(村上ふみ子代表)で、伝統的な綿織物を学んだ。染織サークルを立ち上げて在来種を守り、織り方を教えるなど伝承に努めてきた村上さんから、昔ながらの技術と歴史を教わった。

 村上さんは農家が使ってきた道具を紹介し、学生たちは「紡錘車(ぼうすいしゃ)」を使って綿花から糸を紡ぐ作業に挑戦。途中で切れたり、細さが均一にならなかったりして悪戦苦闘した。原始的な織りの体験、織機の見学もあった。

 副島麻琴さん(21)は「紡ぐのは力加減が難しい」、中園千絢さん(21)は「成人式で親の着物を着て興味を持った。生き生きとものづくりをされているのが印象的だった」と感想を話した。村上さんは「若い人たちが真剣なのがいいね」と目を細めた。

 学外で実習する「国内外芸術研修」の一環。石井美恵准教授は「現地を訪れてこそ分かることがある。無形文化財として着物の継承を考えて」と呼びかけた。31日には藍染めを体験する。(大田浩司)