伊万里市の中学校に寄付をした北田織さん(右)と妻の瑞恵さん=市役所

 福岡県春日市の市議会議員北田織(のぼる)さん(73)が、伊万里市の教育基金に140万円を寄付した。3歳から中学卒業まで伊万里で過ごし、「貧しい暮らしの中、地域の人に助けられながら育った。いつか恩返しをしたいと思っていた」という。

 北田さんは8人きょうだいの3番目で、国見中1年の時に炭鉱マンだった父が病気になった。中学を卒業して働きながら大学まで進み、卒業後は葬儀社に就職。1983年に独立して「セレモール」(春日市)を設立し、現在は相談役を務めている。市議は5期目で議長経験もある。

 国見中では野球部に所属し、グラブなどの道具はOBが寄贈したものを使った。その恩義から、今回の寄付は伊万里市内の中学校で使うよう指定している。20日に贈呈式があり、深浦弘信市長に寄付金を手渡した北田さんは「経済的に困っている子どもたちの役に立ててほしい」と話した。(青木宏文)