居住する地域にとらわれない子ども施策の実現および税源の偏在是正に関する国への申し入れを行うため、大野元裕埼玉県知事は7日、熊谷俊人千葉県知事、黒岩祐治神奈川県知事と共に、盛山正仁文科相、こども家庭庁の加藤鮎子内閣府特命担当大臣、松本剛明総務相に要望書を手渡した。

 要望書には税収に恵まれている東京都の施策によって周辺自治体との地域間格差が拡大しており、「全ての子どもが等しく幸福な生活を送ることができる『こどもまんなか社会』の実現には、このような地域間格差を解消していくことが必要不可欠である」などの内容が盛り込まれた。

 2022年度決算に基づく県の調べによると、経常収支比率から算出した経常経費を除く自由に使える財源(1人当たり)の比較では、東京都が6万7600円、埼玉県は6600円、千葉県が9100円、神奈川県は2300円となり、東京都と埼玉県で10・2倍の格差があるという。

 大野知事は要望書提出後、報道陣の取材に「3県の知事が集まって訴えをしたことで、状況についてご理解いただけたと考えている。同じ高校の同じ教室に東京都民と埼玉県民が混在している場合があるが、同じサービスを享受できていない。こども基本法は平等を国の責務としている。粘り強く3県で手を携え、国に問題提起をしていきたい」と述べた。