鳥取市賀露町北1丁目、賀露神社の春祭(29日)の夕祭が28日夜あり、地元の20歳前後の若者7人が麒麟(きりん)獅子舞を奉納した。演じることで一人前の大人と認められる漁師町・賀露の通過儀礼。他地域の麒麟獅子舞と比べてテンポが速く独特の所作がある伝統の舞を演じ、見守る大勢の住民から「オセヨー(大人になったぞ)」と掛け声が飛んだ。

 かつては20歳だけで担っていたが、若者が減った現在では年齢の幅を広げている。20歳前後の7人は20日に祭りの種火を採る「もみ火神事」も担った。

 ゆったりとした動きで始まり、徐々に速さを増した。足を踏みならすような所作「ドンゴドンゴ」に、片足立ちで踏ん張って舞う所作を交えて力強く演じた。

 7人は早朝から地区の家々を回って演じ続け、奉納が終わると、ぐったりとして両脇から抱きかかえられる人もいた。リーダー役の今村聖弥(まさや)さん(23)は「地区の皆が出て盛り上げる祭りに携われてうれしい」と話した。