横浜市教育委員会による裁判傍聴妨害問題は、弁護士3人の検証チームが一連の経緯について調査に乗り出すことになった。市教委は問題発覚当初、市教委主体で調査する意向だったが、外部からの指摘を受けて方針を変更する形となり、市教委の状況認識の甘さが露呈した格好だ。

市教委は当初、弁護士を交えながらも市教委として一連の経緯を調査する方針を示していたが、27日の記者会見で3人の弁護士のみによる検証チームの立ち上げを発表した。教職員人事部の村上謙介部長は方針変更について「(弁護士から)外部の客観的な視点を取り入れ、しっかり検証した方がいいのではないかとアドバイスをいただいた」と説明した。

また、「今後の教育委員会の組織改革とかにつなげていきたい。そのことによって、市民の皆さまからの信頼回復に向けて取り組んでいきたい」と話したが、市教委主体の調査では検証結果の信頼性が揺らぎかねない状況にある現実が改めて浮き彫りになった。

市教委はこの日、教員による児童・生徒への性犯罪事件の裁判をめぐる職員への傍聴呼びかけが始まった経緯について、平成31年4月付で被害者を支援する団体から市教委に寄せられた「傍聴要請と注意事項」と題した文書がきっかけになったと明らかにした。

文書は傍聴による二次被害を避けたいと市教委に傍聴席を埋めるよう求める内容で、当時の教育長も確認していたという。村上部長は「被害者側の不安とか、そういったものの配慮での対応だったが、やはりそれは行き過ぎだった」と改めて認めた。