DeNA 4−0 西武

八回を投げ終え、球数は106球。三浦監督から「どうしたい?」と聞かれ、DeNAの東は即答した。「行かせてください」。7安打を許しながらも要所での集中力が光り、昨年6月以来の完封勝利。球団初となる開幕投手の5連勝という記録に、自身の熱投で花を添えた。

試合前のブルペンから、状態は「正直かなり悪かった」と明かす。二回から五回まで走者を背負う苦しい展開が続いた。修正の糸口をつかんだのは、六回の登板直前だったという。

球をリリースする際の腕の角度を「サイドスローくらいの気持ち」に下げると、ストレートの球威や変化球のかかりが目に見えてよくなった。女房役の山本のリードにも助けられ、終盤は危なげないいつもの投球で最後までスコアボードに0を並べた。

チームは6連勝。交流戦最終戦を前に勝率を5割に戻した。万全ではない中でもエースの仕事を果たした左腕は、「自分の中でもつかんだものがある。大きな1試合になった」と誇らしげだった。(川峯千尋)