(日本生命セ・パ交流戦、ソフトバンク6−2阪神、2回戦、ソフトバンク2勝、15日、みずほペイペイ)5月28日に雨天中止になった阪神―日本ハムが6月18日に甲子園で行われるが、16日で交流戦が終わってしまう。

普段は対戦しないリーグの6球団と各3試合ずつを戦う3週間。ちょうどいいという声もあれば、開始当時のようにホーム&ビジターで見たいという意見もある。虎ソナは断然、後者だ。

ホーム&ビジターで行われていた虎番時代、リーグ戦中はほぼ行くことがない、北海道や仙台、博多に出張できるのが何よりの楽しみだった。海鮮好きは北へ、肉食なら西へ。どっちも楽しかったなあ。遠征先で原因不明の腹痛でダウンしたときは、本当に泣いた苦い思い出もある。

それぞれのスタジアムならでは応援を体感できるのも楽しみだ。一番印象に残っているのは札幌ドームの日本ハム戦。得点圏に走者を置いて稲葉篤紀が打席に入る際に行われる『稲葉ジャンプ』は圧巻だった。より熱を感じたくて、スタジアム取材をするふりをして、外野席に行ったこともあった。

3月のオープン戦以来のみずほペイペイドーム取材だった虎番の中屋友那は、ホークスファンの盛り上がりにグッときていた。

「七回裏の攻撃の前に舞ったジェット風船がすごかったですね。野球観戦のひとつとして、やっぱりいいなあと思いましたね」

えぇーっ!!と思った方のために説明しよう。ソフトバンクの本拠地では、コロナ禍で一時自粛されていたジェット風船応援が昨年7月から4年ぶりに再開されているのだ。ただし、衛生面に考慮して、従来の口で息を吹き込むタイプではなく、専用のポンプで膨らませるモノに限られている。「記者席にいくつか飛んできましたけど、口で膨らませていないので、嫌な感じはしなかったですよ」という中屋の感想はごもっともだ。

虎ソナには嫌な思い出がいくつもある。甲子園の記者席で舞い込んできた際、〝しぶき〟を浴びたことも、スコアブックが汚れたことも、ルール無視で口を縛った風船が転がっているのを踏んでビックリしたことも…。もう二度とあの時代には戻ってほしくはないけど、コロナ禍を経た新たな形には、いいなと思うものがたくさんある。中屋はさらに続ける。

「パ・リーグはビジターチームのファンも結構ジェット風船を飛ばすそうなんですけど、14日の阪神ファンはほとんど飛ばしていなくて。ホークスの担当記者から『阪神はやらないの?』と聞かれました。せっかくなので、ファンの方には楽しんでもらいたいですね」

この3連戦はソフトバンク担当を務めるベテラン上田雅昭も、博多の熱を伝えてきた。

「楽天が広島に連敗して、ソフトバンクに逆転優勝の可能性が出てきたからな。2年前のリーグ戦では、ほぼ優勝を手中に収めていたのに、まさかまさかのV逸…。『あのときのリベンジを!!』と鼻息が荒い関係者もおるで」

いいなあ。熱く、澄んだ空気の中で仕事ができて。大阪・難波の編集局では、編集総括を務める整理部長の矢田雅邦と当番デスクの長友孝輔が、昼過ぎから難しい顔でゴニョゴニョ…。ナイターで敗戦後はまたゴニョゴニョ…。誰でもいいから、よどんだ空気を吹き飛ばしてくれー!!