日本バレーボール協会は30日、オンラインで報道陣に対応。キューバ出身のデアルマス・アライン(23)=サントリー=が男子日本代表に登録されながら外された状況について説明した。

宮崎・都城東高からサントリーに入り、今年2月に日本国籍を取得したデアルマスは、3月19日発表の今季男子代表登録選手に入ったが、国際連盟(FIVB)の定める登録資格を有していないとして、4月9日付で除外された。

昨年改定されたFIVBの規定で、国籍変更に伴う所属国協会変更の場合、通常はFIVBの承認を受けてから2年後に代表活動が可能になる。承認後、すぐに代表活動が可能になるのは特例が認められた場合で、これには▽旧所属国協会の、(年代別など)いずれの代表チームでもプレーしたことがない▽新所属国協会の国籍を出生時から持っていた−−などの条件が必要となる。

デアルマスの所属国協会変更について、日本協会では特例の承認を求めていたが、3月6日、特例に該当しない旨の連絡が国際交渉担当部署にあった。しかし、この情報が強化を担当するハイパフォーマンス(HP)事業本部に共有されないまま、同18日の強化委員会でデアルマスが登録選手に選ばれたという。

「FIVBの回答がある前後から、もしかしたら2年間は代表活動ができないかもしれないという話はメールでやり取りしていたが、HP事業本部との間でうまく意思疎通ができていなかった」とは国際交渉を担当する内藤拓也業務執行理事。矢島久徳HP事業本部長は、Vリーグ男子決勝翌日の4月1日に、デアルマスとサントリーに謝罪をしたとし、「組織的つたなさにつきる」と責任を認めた。

村上成司事務局長は「原因の一つは部署間の連係不足」とし、再発防止策として、FIVBとの連絡を担当していた国際業務部を4月1日付でHP事業本部内に統合したと説明。「同じことを繰り返さないように取り組んでいきたい」とした。

日本協会では2017年、事務局の手続きミスで選手がビーチバレーのワールドツアーに出場できなくなったことがある。矢島氏は「ビーチの件が風化していた。いかに風化させず、部署間の連係をやっていくかが大事」と反省していた。