小郡市観光協会(福岡県)は、文化庁の「食でつながる日本の文化認定事業」を活用し、全国の若手料理人に新たなカモ料理を考案してもらい、レシピ集を作った。飲食店やイベント向けなどの料理11品を載せており、4月から同協会や市役所で無料配布している。

若手料理人が新たな提案!

 同市北西部の三国地区には江戸時代、久留米藩の猟場があり、カモは米や藍、紅花などと同様に税として藩に納められていた。現在も毎年11月15日〜2月15日に伝統的な網による猟が行われており、市内の料亭では天然のカモ肉を使った料理を提供している。

 今回の取り組みは、飲食店情報サイトを運営する「ぐるなび」(東京)の社員で、総務省の地域活性化起業人制度を活用して2023年4月から1年間、小郡市に派遣されていた大住由季子さんが企画。「鴨(かも)のまち」をPRするため、市観光協会に呼びかけ、伝統的な食文化を次の世代へ継承する23年度の「食でつながる日本の文化認定事業」に応募し、採択された。

 国内最大級の料理人コンペで優秀な成績を収めた若手料理人6人に協力を求め、カモを使ったパスタや焼きそば、卵焼きなど新たなメニューを考案してもらった。料理人らは23年11月、同市を訪れ、猟師から小郡のカモ猟の歴史を学んだり、天然カモのさばき方の講習会に参加したりした。

「新しくておいしい鴨料理」

 レシピ集のタイトルは「新しくておいしい鴨料理」(B5判のカラー、12ページ)。料理は飲食店、イベント、家庭向けに分け、材料や作り方、料理人からの一言アドバイスのほか、料理人の簡単な経歴や写真も載せ、3000部を作製した。

 3月下旬に関係者向けの試食会が市内で開かれ、「鴨のたたき 唐辛子黒酢ソース」など3品が披露された。試食した加地良光市長は「どの料理もおいしい。カモの食文化を継承し、まちづくりや市のPRに生かしていきたい」と話した。

 4月21日午前10時〜午後4時に同市大板井の市生涯学習センターで開かれる食のイベント「スプリングフェスタ」で、メニューの一つ「合鴨胸肉と水菜の米粉ガレット」が販売される。

 レシピ集の問い合わせは市商工観光課(0942-72-2111)へ。