千葉県市川市の一軒家で生まれて間もない女の赤ちゃんの遺体が見つかった事件で、市川署は6月9日、自称・愛知県豊橋市の無職、岡田萌花容疑者(22)を死体遺棄の疑いで逮捕した。同容疑者は調べに対して「私がやったことに間違いありません」と容疑を認めるとともに、自分が生んだ子どもだと供述しており、同県警は犯行にいたった経緯について捜査を進めている。

「以前は男と歩いている姿を見たこともなかった」

「まさか萌ちゃんがこんな事件を起こすなんて、まだ信じられなくて。こんなことになる前に、誰かに相談できなかったんですかね……」

岡田容疑者を古くから知る近隣住民の女性は、事件の舞台となった一軒家を見つめながら、こう肩を落とした――。

事件が起きたのは、JR総武線・市川駅から北東に3キロほど離れた一軒家の一室。8日の午後0時45分ごろ、岡田容疑者の母親から「部屋に遺体がある」と110番通報があり、駆けつけた救急隊員が生後間もない赤ちゃんの死亡を確認した。

遺体は岡田容疑者の部屋のクローゼットにあったキャリーケースの中からタオルに包まれた状態で発見。性別は女の子で、死後数日が経過しているものの目立った外傷はなかったという。

「遺体発見後、すぐに捜査線上に浮上したのが、この家に両親と3人で住んでいた萌花容疑者だった。萌花容疑者は、事件の一週間ほど前から行方がわからなくなっていたが、その後、警察が愛知県内にいた萌花容疑者を発見。東京行きの新幹線のなかで身柄を拘束し、9日に死体遺棄の疑いで逮捕した。

この行方不明の期間中は、愛知県の知人男性の家に滞在していたとみられていて、警察は犯行にいたった経緯について捜査を進めている」(社会部記者)

岡田容疑者は取り調べに対して「私がやったことで間違いありません」と容疑を認めるとともに、赤ちゃんの遺体についても、自分が生んだ子どもだと供述しているという。都内からほど近い、閑静な住宅街で起きた今回の事件に、近隣住民の男性も驚きを隠せない。

「先週の土曜日だったかな? 昼すぎくらいにやけに騒がしいなと思って外に出たら、パトカーや救急車がズラーっと並んでたの。20人ちかい警察や鑑識の人たちが、慌ただしく岡田さん家に出たり入ったりしていたから、一目見て『こりゃただことじゃないな』と思った。こんな物騒なこと滅多に起きないから、ご近所の人たちも心配そうに集まってきてたね」

岡田容疑者を含めた一家が引っ越してきたのは、今からおよそ20年前。新築の一軒家で、事件が起こる前までは、とくに異変を感じたこともなかったという。

「ご近所付き合いをあまりするような家族ではなかったけど、道ばたですれ違うときは『こんにちはー』って、ご両親もちゃんと挨拶をしてくれる人だったよ。

娘さん(=岡田容疑者)については、高校生のころまではよく見かけていたけど、べつにヤンチャそうとか、そういうイメージもなかった。むしろ真面目な印象というか、男と歩いている姿を見たこともなかったから本当に驚いてる。

それとあんなに立派な一軒家に住んでるわけだし、お金に困った話は出てこない。どうしてこんな事件を起こしてしまったのか不思議でしょうがないよ」 

「いわゆる“夜の女性”って雰囲気があったから、ちょっと心配してたんだ」

さらに、別の近隣住民の女性も「萌ちゃんはとにかく大人しい子だった」と振り返る。

「あの子が小学生のころは、近所の子たちと楽しそうに走り回ったり、2、3歳年の離れたお姉ちゃんみたいな子とよく家の前でボール遊びもしてましたね。お父さんとお母さんも常識的な人で、2人とも仕事は美容師だって聞いてました。

そうした影響もあってか、萌ちゃんは高校を卒業するくらいのタイミングで髪の毛を明るく染めたんだけど、本当に大人しい子で、近所で会うと『今バイトから帰ってきたところなんです』とかって話してくれました。

ここ何年か見かけることはなかったから、てっきり家を出たのかな? なんて思ってましたが、そしたらこんな事件が起きてしまったという感じで……」

周囲からは”大人しい真面目キャラ”として見られていた岡田容疑者は、地元の小・中学校を経て、高校を卒業。そんな彼女に変化が起きたのは、今から2、3年前だったという。

「あの子が高校を卒業してからも、ちょいちょい姿を見かけることがあったんだけど、ここ数年は外見がどんどん派手になっていったね。

化粧も派手になり、短いワンピースとかスカートを穿いて、夕方あたりに家を出ていくことも多かったから『なんだか昔と変わったな〜』って思ってたの。言い方を悪くすると、いわゆる“夜の女性”って雰囲気があったから、ちょっと心配してたんだ」(近隣住民・80代)

また、近所に住む40代女性は「(事件が起きる)2週間ほど前に萌ちゃんらしき子を見かけた」と語る。

「近所に見覚えのある子が一人で歩いていたので『あれ、萌ちゃんじゃないの?』と驚いたんです。そのときは車に乗っていて一瞬しか見ていなかったので、お腹が膨らんでいたかどうかは覚えていないのですが、今思えば、赤ちゃんを生んだのもそのくらいの時期だったってことですよね……。事件を知ってからは、誰かに相談できなかったのかな?っていう思いしかありません」

岡田容疑者の身にいったい何があったのか。そしてなぜ、我が子の遺体を実家に遺棄するという最悪の選択をしてしまったのか。一刻も早い真相解明が待たれる。

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取材・文/集英社オンラインニュース班