山﨑空

2005年(平成17年)12月8日に秋葉原で産声を上げたAKB48。前田敦子、高橋みなみ、小嶋陽菜、篠田麻里子、大島優子、指原莉乃ら数々のスターを生み出し、誰もが知る国民的アイドルグループとなった。

あれから十数年、元号は令和に変わり、また新たなスター候補生が続々と加入している。当時とは異なる状況で、彼女たちは何を思いAKB48になろうとしたのか? どこを目指すのか? フレッシュメンバーの魅力を深掘りインタビューでお届けです!

第6回は7月11日に発売される、AKB48 64thシングルで選抜メンバー復帰が決まった山﨑空(やまざき・そら)。最近ではソロでドラマに出演するなど、活動の幅を広げているメンバーだ。前編ではAKB48に入るまでを。2つ上の兄との関係や、アイドルになるためにやってきたことなどを語ってもらいました。

■中学時代はソフトテニス部の部長

――子供時代はどんな子でしたか?

山﨑 2歳から12歳まで水泳をやっていました。2コ上のお兄ちゃんが水泳をやっていたんですけど、当時はお兄ちゃんがやってることは私もやりたいってコだったので。ただ、趣味みたいな感じだったので、大会に出るとかそういう感じではなかったです。好きなのはバタフライで、水泳をやってる人でも苦手って人は多いんですけど、私は楽しかったです。

――性格的にはどういうコだったの?

山﨑 どちらかというと人見知り。自分から話しかけるのが得意じゃなかったので、友達が多い方ではなかったです。学校でも、みんなが外でドッジボールとか、男女混ざって鬼ごっことかしてる中で、私は教室で静かなコとしゃべったり、図書室へ行ったり。

――委員会とかは入ってました?

山﨑 いろんな委員会をやってたんですけど、図書委員は委員長をしました。あまりみんなと一緒にいるタイプではないんですけど、まとめたりするのは好きで、何か不思議な性格をしてるんです。

――中学校で部活とかは?

山﨑 これもお兄ちゃんの影響でソフトテニス部に入りました。中学校でソフトテニスをやってる姿を見てかっこいいなと。団体戦のレギュラーで、まあまあ強かったんですけど、同じ地区に全国へ行くような強豪がいたので、上には行けなかったですね。

――まとめるのが好きって言ってましたけど、もしかして部長とか?

山﨑 そうですね。珍しいかもしれないですけど、男女一緒の部活で、そこの部長をやってました。立候補制で、今までの活動や、やりたいことみたいなのを言って、それで先生やメンバーが決めるみたいな。

――友達があまりいないと言ってたけど、人望がありますね。

山﨑 だから不思議な性格なんだと思います。仲がいいコとはすごい明るいですけど、全体的に見た時に、外で遊んでる活発なコみたいな、今どきのめっちゃウェイウェイしてる感じでもなくて。

――部長としてみんなを引っ張っていたんですね。

山﨑 「もっと練習頑張って」とか、結構言ってました。先輩にそういう方が多くて、その背中を見てきたので、それが普通だったというか。

――水泳を始めたり、ソフトテニスもそうだし、お兄さんとは仲良さそうですね。

山﨑 全然です。えげつないケンカをしてました。小さい頃はパンチを食らいまくって。私も返してましたけど(笑)。最終的にどっちかがいなくなるか、私が泣いて親が入ってくるまでやってました。そう考えると、お兄ちゃんに憧れていたんじゃなくて、私がやりたかったことを、たまたまお兄ちゃんが先にやっていただけなのかも(笑)。

――ちなみに勉強はどんな感じだったんですか。

山﨑 順位は真ん中より下でした。勉強よりもテニスを頑張ろうって。漢字とか、あと社会や歴史とか暗記系が得意じゃなくて。その代わりに数学や理科が好きで、高校は理系に進みました。

山﨑空

■オーディションは周りがすごいコばかりで、現実に引き戻されました

――高校では何か部活をしてました?

山﨑 帰宅部でした。中学3年間ソフトテニスやってきたので、ここからは新しいことにチャレンジしようと思って、芸能活動をしたいなと。芸能界に進めるように努力しようと。

――芸能界は昔から興味があった?

山﨑 子供の頃はトリマーさんだったり、警察官とか、ほんと様々なことに興味があって。どんどん変わって、高校になってから芸能界に入りたいなって。

――何かきっかけがあったんですか?

山﨑 お母さんが韓国アイドル好きで、ライブに連れて行ってもらってたんです。少女時代、SHINee、SUPER JUNIORなど、それでライブは好きだったので、そういうところから憧れが少しずつ生まれて、私もステージに立ってみたいなって。

――芸能界に入るためにやったことはありますか?

山﨑 中学校がソフトテニス部だったので、もう日焼けがすごくて。バスケ部のコの横に並ぶと「オセロだね」って言われるぐらい。なので、そこから治さないとって、日焼け止めを毎日塗って、体育はずっと長袖長ズボン、絶対に日に当たらないようにって、日傘をさして登校してました。

――高校生で毎日日傘って変に目立たないですか? 芸能界に入るためなんだとか、その理由は言ってたの?

山﨑 全然言ってないです。知ってるのはほんの数人しかいなくて。ただすごく日焼けしたくない系女子みたいな(笑)。だからAKB48になって、芸能活動のためだったんだって。日傘の理由がつながったと思います。

――いろいろな事務所に書類を送ったりはしたんですか?

山﨑 スカウトしていただいたり、知り合いの紹介で事務所の方にお話を聞いたりしたんですけど、やっぱりアイドルになりたいなって。アイドルって色んなことが勉強できるので。

山﨑空
――AKB48との出会いは?

山﨑 韓国のアイドルを見ていたのと同時に、日本のアイドルも素敵だなって見ていたんです。そこで渡辺麻友さんを見つけて、AKB48を好きになって。CDやグッズを買ったり、コンビニのくじをやったり。応援しているうちに憧れるようになりました。それとオーディションの時期に『根も葉もRumor』が話題になっていて、岡田奈々さんがセンターをされていたんです。昔のAKB48も好きだったけど、今の団結力あるかっこいいAKB48もすごく魅力的だなと思って、オーディションを受けました。

――実際に受けてみてどうでしたか。

山﨑 最初は自信持って頑張るぞって気持ちだったんですけど、いざオーディションに行ってみると、すごいコばかりで。実力のあるコだったり、素人の私でもわかるぐらい輝いてるコがいたりして、そこで何ができるんだろうって、現実に戻される感じがありました。

でもそこでAKB48の魅力や、なりたいって、自分の思いを伝えて、もうできる限りのことをして。それこそダンスは未経験だったんですけど、いろんなAKB48の動画を見て、サビだけでも踊れるようにしたり、歌もお母さんの知り合いの方に教えていただいたりして。

――オーディションで1番覚えてることは?

山﨑 ダンス審査のレッスンですね。課題曲が『大声ダイヤモンド』だったんですけど、先生が2、3人しかいない中でのレッスンなんですよ。全員が近くで教えてもらえるわけじゃないので、ひとりでやるコもいれば、教え合ってるコもいたり。私は予習みたいなのをしてきたので、わかんないコに教えてあげたり。

――きっとそんな姿も審査員は見ていたのかもしれないですね。周りにオーディションを受けてることは言ってたんですか

山﨑 高校で仲良かった数人には言ってました。あとは先生ですね。学校が厳しいところだったので、後で伝えて、止めてくださいってなったら困るなと。

――止められなかったですか?

山﨑 でも事前に書類を出しておけば、応援してくれる学校ではあったので。

――オーディションに受かって、先生は何か言ってました?

山﨑 本当に受かるとは思ってなかったと思うんです。すごいたくさん応募があった中での11人だったから、すごい喜んでくれて。学校のことを、あまり授業に出れなかったりとか、そういったものを全部サポートしてくれて。行事も行けなかったんですけど、クラスのコが応援メッセージ動画を送ってくれたり、みんなの温かい応援のおかげで、高校生活を乗り切れました。

――親はどうだったんですか?

山﨑 苦労していたのを見てたので、すごい喜んでくれました。兄はすごい誇ってくれて、SNSを更新すると、いいねしたやつをスクショして送ってくれたり。

――昔はすごいケンカもしたけど、愛されていますね。(後編に続く)

山﨑空
【連載「なんで令和にAKB48?」は毎週月曜日更新 山﨑空が初選抜の話やニックネーム"そらら"の理由は明かす後編は6月3日公開!】

●AKB48
2005年(平成17年)12月8日、秋葉原のAKB48劇場で1期生お披露目。
2022年(令和4年)5月4日に17期生、2023年4月9日に18期生、2024年3月17日に19期生がデビュー!
◯AKB48 64thシングルが7月11日発売予定! 『AKB48、最近聞いた!〜一緒にKYOUSOUしませんか?〜』(テレビ東京系、毎週火曜25:30〜)に出演中! 最新情報は公式ホームページをチェック!

●山﨑空(やまざき・そら)
2004年5月13日生まれ 東京都出身
身長152㎝ 血液型=B型
Nickname=そらら
公式X【@sorara_akb48】
公式Instagram【@sora_yamazaki17】

取材・文/関根弘康 撮影/篠田直人