横浜F・マリノスのMF水沼宏太が、5月11日に横浜国際総合競技場で行なわれるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の決勝・第1レグ、UAEのアル・アイン戦を前に、意気込みを語った。

 横浜は準決勝で韓国の強豪・蔚山現代と対戦し、PK戦までもつれ込む激闘を制した。ただ、4月24日の第2レグから中2日でセレッソ大阪とのリーグ戦を控えていたため、水沼は決勝進出を決めてからの数日を「正直、実感が湧かなかった」と振り返ったが、決勝の第1レグに向けて「すごく楽しみ」と笑顔を見せる。

 水沼個人ではリーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯で優勝を経験している。しかし過去に4度(16年、18年、20年、22年)出場したACLでは、いずれもアジアの頂点を掴むことができなかった。だからこそ、自身5度目の今大会に懸ける想いは強い。

「僕はACLのタイトルを獲っていないので、自分のサッカー人生のなかで、アジアのチャンピオンになることはすごく大きなこと。絶対に獲りたい」
【厳選ショット】数的不利で厳しい戦いも耐え抜いてもぎ取った勝利!PK戦を制した横浜がACL決勝進出!|ACL準決勝第2戦 横浜 3(5PK4)2 蔚山
 横浜のアカデミー出身で、2008年にトップチームに昇格した水沼は、その後は栃木SC、サガン鳥栖、FC東京、セレッソ大阪を経て、20年から再び横浜でプレーしている。トリコロールを昔から知る選手のひとりとして、クラブがアジアのタイトルを獲る意味を、こう語る。

「変なプライドを持ってはいけないけど、クラブに携わる人にも、ファン・サポーターにも、より日本を代表するクラブ、自分たちは横浜F・マリノスなんだという意識の高さが生まれると思う。これまでJリーグでは積み重ねてきた歴史がありますけど、アジアや世界にはあまり知られていないチームかもしれないし、日本を代表するクラブになるためにも獲らないといけない」

 決勝の相手はアル・アイン。ACLは決勝まで東アジアと西アジアに分かれて試合が行なわれていたため、東アジアを勝ち抜いてきた横浜は、西アジアのチームとは初めての対戦となる。

「僕自身は年代別の代表でアジアを2回優勝しているので、中東のチームのイメージはあります。そこから時間が経っているのでなんとも言えないですけど、少なからずみんなより経験しているところがあるので、気持ちの部分だったり、ここに隙があるとか、そういったことを話せたらいいなと思います。

 久々に西アジアのチームと試合ができるのはすごく楽しみです。とにかくやってみないと分からないし、アウェーではとんでもないものが待っているかもしれないけど、自分たちはあまり意識をせず、いつも通りにやりたい」

 かつて日産自動車や横浜マリノス(ともに現・横浜)、日本代表で活躍し、DAZNでACLの解説を務めている父・水沼貴史氏に対しても、特別な想いを口にする。
 
「父は日産でも代表でもアジアの大会を経験しているので、そういう意味では負けたくないというか、父と同じように歴史に名を刻めるという喜びがあります。現行のACLになってからマリノスは結果を残せていないので、肩を並べるためにもタイトルを獲りたい。父も絶対に優勝してほしいという想いなので、それに応えたいし、父も願っていると思うので、一緒に戦います」

 クラブ初のアジアのタイトル獲得へ。注目必至の第1レグは、5月11日の19時にキックオフ予定だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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