2020年11月25日に逝去した元アルゼンチン代表の“英雄”ディエゴ・マラドーナ氏が1995年に受賞したバロンドール名誉賞のトロフィーが6月6日にオークションに出品されるようだ。7日、アルゼンチンメディアの『TyCスポーツ』が報じた。


  “世界一”の選手に贈られるバロンドールだが、マラドーナ氏はFIFAワールドカップメキシコ1986で優勝した年であっても受賞することはできなかった。その理由はマラドーナ氏が現役選手として全盛期を迎えていた時期、バロンドールの選考対象がヨーロッパ生まれの選手に限られていたからだった。


 しかし、1995年にバロンドールの選考対象者がヨーロッパ以外の選手に拡大されたことを受け、マラドーナ氏は同賞の名誉賞を受賞。記念トロフィーを受け取った。


 だがその数年後、ナポリ銀行に預けてあった記念トロフィーがイタリアのマフィアにより盗難されてしまう。奪還を目指したマラドーナ氏だったが、「トロフィーは、溶かして売られてしまったため返還は不可能」との情報を得る結果に。そのため、同トロフィーは永遠に見つからないと考えられていた。また、マラドーナ氏の父親の自宅に保管されていた同トロフィーのレプリカも、火災により焼失してしまっていた。


 そんななか、2016年にフランスのギャラリーが永遠に見つからないと思われていた記念トロフィーのオリジナルを発見したと発表。そして、数年にわたる徹底的な真贋鑑定の結果、見つかったトロフィーは本物であることが確認された。


 マラドーナのバロンドール名誉賞のトロフィーは6月6日にフランスのオークションハウスにより競売にかけられ、1000万ユーロ(約16億7000万円)を超える額で取引されることが予想されるという。