鈴木勝秀が上演台本と演出を手がけ、 荒井敦史が主演を務める 舞台『ルール〜「十五少年漂流記」より〜』 が2024年5月16日(木)に開幕。それに先がけ行われたマスコミ向けの公開ゲネプロと囲み取材のオフィシャルレポートが到着した。囲み取材には、鈴木勝秀と出演者全員(荒井敦史、嘉島陸、田中雄飛、飯原僚也 (ダウ90000)、瀬谷直矢(劇団4ドル50セント)、翔、 大友至恩、富栄ドラム、駒田一)が登壇した。


本作は、鈴木がジュール・ヴェルヌによる不朽の冒険小説「十五少年漂流記」を基に、舞台を現代にうつし、いくつかのキャラクターを統合した登場人物(役名は原作を踏襲/年齢は原作の10代に限らない設定)で、極限状態に置かれた国籍もバラバラの学生たちが自主的にルールを定め生き抜く姿を描く作品。主演の荒井はフランス人のブリアンを演じ、遭難した孤島で集団生活をするために8人が決めた最初のリーダー・ゴドンを田中が、ブリアンの弟であるジクを大友が、ブリアンを支持するバクスタを瀬谷が、ブリアンと対立しがちなドニフンを嘉島が、ドニフンに賛同するクロスを翔が、同じく賛同するウィルコックスを飯原が、見習い水夫のモコを富栄ドラムが、そして別の船の操縦士エバンズを駒田が演じる。




ゲネプロ後の囲み取材で鈴木が、「十五少年漂流記」を本作『ルール』としてつくりあげたことについて、「『十五少年漂流記』を読み、今この時代について考えました。(そのうえで)“ルール”と“自由”については僕自身もずっと考えていたことなので、それをこの芝居にぶつけられたらなと思い、上演台本を書き始め、思い切って『ルール』というタイトルにしました。いまの時代に合うようにつくっているし、そうでなければいけない、とも思います。 “ルール”というもの、それと“自由”というものについて考えていただければいいのかなと思います」と話した本作。原作は1888年に発表されたものだが、2024年のいま世界で起きていること、自分が生きる世界のことを考えずにはいられない作品となっており、その中で俳優たちがしっかりと役を生きる姿が印象的。キャリアも年齢もバラバラなキャストが揃っているが、その一人ひとりが持つものが役にも反映されていて、それぞれの存在が際立っている。また、風景や天候も表現したミュージシャンの大嶋吾郎による音楽も魅力的で、芝居、演出、台詞、音楽と一つひとつが強い魅力を放ちながら、けれどすべてががっちりと結びつき作品としての大きなエネルギーになるような舞台に仕上がっていた。




囲み取材で荒井は「年齢層もそうですし、初舞台から大先輩まで(キャリアも)幅広いキャストで稽古してきました。あとは自分たちを信じて、スズカツ(鈴木)さんの演出でできあがったこの世界観を全力でがんばるだけです」、嘉島は「客席に近いところでのお芝居もあるので、お客様の反応も楽しみにがんばりたいです」、駒田は「荒井くんも言ったようにいろんな人たちが集まって、スズカツさんを筆頭にいろんなことを試しながら、苦労しながら、悩みながらやれたと思います。 早く幕を開けて、お客様の感じを知りたいです」、ドラムは「初めての舞台で、僕が喋っているところを初めて観る方もいると思います。これからの役者人生をかけて本気で向かっていきたいです」、田中は「一か月間稽古してきたことを信じて、お客様にぶつけるだけです」、飯原は「絶対全公演ミスなしで演じきるので、お客さんは安心して来てください……!」、瀬谷は「アドリブもけっこうあるので、そこも楽しんでいただければ」、翔は「初舞台なので楽しめたら」、大友は「みんなで話し合ってどうしていくか決めることもありました。細かいところまでこだわっているので、そこもぜひお客様に感じ取っていただけたら」と話した。


また本作は、U-22チケット(1,500円)やシニアチケット(65歳以上対象/2,000円)のほか、文化庁 劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業により小学生〜18歳までは【無料】で鑑賞できる取り組みも参加している。ぜひこのような機会も活用して劇場に足を運んでほしい。