2024年8月に上演されるPRAY▶vol.4 ×篠井英介 超攻撃型”新派劇”『天守物語』の新ビジュアルが解禁となった。

新派劇の手法を軸に、日本古典劇の様式を繊細に踏まえつつも、古今東西の様式を柔軟に用いた現代に鮮烈に”刺さる”新演出で現代中小劇場に最適化する「RENOVATION」に挑戦してきたPRAY▶。Vol4となる今回では、世界観に共鳴した篠井英介との共作として、松竹株式会社からの協力を経てシアターウエストに進出する。

篠井英介、安里勇哉

篠井英介、安里勇哉

泉鏡花の代表作『天守物語』は、「幻想文学の最高峰」とも称され、歌舞伎・新派をはじめ数多くの団体が上演してきた古典の名作中の名作だ。PRAY▶では、「歌舞伎」と「リアリズム」という互いに相反する様式を見事に融合させた唯一無二の演劇「新派劇」の手法を軸に、能・アングラ・日本舞踊・コンテンポラリーダンス・ポエトリーラップ・邦楽・ロック・歌謡等、あらゆる古今東西の手法を融合し”斬新”でありつつ、その実極めて古典的である「今ここにしかない」演劇を作り出し、軽やかかつ重厚、ひいては演劇界に次代を切り開く新ジャンルの創出と確立を狙う。

あらすじ


白鷺城の最上階にある異界の主こと天守夫人の富姫が、侍女たちと語り合っているところへ、富姫を姉と慕う亀姫が現れ、宴を始める。その夜、鷹匠の姫川図書之助(ずしょのすけ)は、藩主播磨守の鷹を逃した罪で切腹するところ、鷹を追って天守閣最上階に向かえば命を救うと言われ、天守の様子を窺いにやってくる。
しかし富姫に二度と来るなと戒められて立ち去るが、手燭の灯りを消してしまい、再び最上階へと戻り火を乞う。すると富姫は最上階に来た証として、藩主秘蔵の兜を図書之助に与える。この兜から図書之助は賊と疑われ、追われるままに三度最上階へ戻ってくる。
いつしか図書之助に心奪われた富姫は、喜んで彼を匿うが、異界の人々の象徴である獅子頭の目を追手に傷つけられ、二人は光を失ってしまう。そこへ、近江の匡の工人桃六が現れ、再び獅子頭の目を掘り二人に光を取り戻させ、祝福をする。