女優の吉高由里子(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は今月9日、第23話が放送された。話題のシーンを振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛〜僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 第23話は「雪の舞うころ」。藤原定子(高畑充希)はききょう(ファーストサマーウイカ)の「枕草子」を読む。「ものづくし」と称される類聚的章段の一つ「うつくしきもの」の一節。

 定子「鶏の雛が、足が長い感じで、白くかわいらしくて、着物を短く着たような恰好をして、ぴよぴよと、賑やかに鳴いて、人の後ろや、先に立って付いて歩くのも、愛らしい。また親が、ともに連れ立って走るのも、皆かわいらしい。姿が見えるようね。流石である」

 ききょう「お恥ずかしゅうございます」

 定子「そなたが御簾の下から差し入れてくれる、日々のこの楽しみがなければ、私はこの子とともに死んでいたであろう。少納言、ありがとう。この子がここまで育ったのは、そなたのおかげである」

 ききょう「もったいないお言葉」

 定子「そなたを見いだした母上にも、礼を言わねばならぬな」

 ききょう「内裏の登華殿に、お母上様に呼ばれて初めて参りました日、亡き関白様はじめ、皆さまがあまりにもキラキラと輝いておられて、目がくらむほどにございました」

 2人は笑い合う。

 定子「懐かしいのう。あの頃が、そなたの心の中で生き生きと残っているのであれば、私もうれしい」

 ききょう「(涙ぐみ)しっかりと残っております。しっかりと」

 「翌日、定子は姫皇子を産んだ」(語り・伊東敏恵アナウンサー)

 第21話(5月26日)の「枕草子」誕生に続く名シーン。SNS上には「高畑充希ちゃんに『枕草子』全編朗読してもらいたい。鈴を転がすような声って、こういう声」「ウイカさんの表情が見事。もらい泣き」「執筆時期が不明確な『枕草子』を、定子と清少納言が没落した後に往時を振り返って書いた、とする設定が実に良い」「さり気なく“かわいい雛”の様子を書いた。言うまでもなく、定子に“生まれてくる子ども”のかわいらしさを想像してもらうため。それで定子は頑張れた」「類聚的章段と呼ばれてる段がなぜこんなにたくさんあるのかよく分からなかったんですが、その答えの可能性の一つを見た思いで感激。閉じこもって塞ぎ込んで絶望の淵にいる大切な人のため、というのが腑に落ちすぎる」などの声が続出。視聴者の感動と涙を誘った。

 次回は第24話「忘れえぬ人」(6月16日)が放送される。