3月4日に63歳で亡くなった声優TARAKOさんのお別れの会「TARAちゃんありがとうの会〜たいせつなきみへ〜」が15日、東京・有明のTFT HALLで営まれた。

 TARAKOさんはフジテレビの人気アニメ「ちびまる子ちゃん」で、1990年1月7日の初回放送から35年にわたり、主人公・まる子の声を担当。実は当初、まる子役は別の声優に決まっていたが、2018年に亡くなった原作者さくらももこさんが、自分の分身であるまる子のイメージと違うと再度オーディションを行い、自身の声に似ているTARAKOさんを選んだ。それ以来、独特の声でまる子を演じ続け「TARAKO=まる子」のイメージで国民的な人気者だった。

 「ありがとうの会」では、放送開始から同作ナレーターを31年間務め、21年に声優を引退したキートン山田氏(78)が弔辞を述べた。

 「最後にメールでやりとりしたのは去年の12月。TARAちゃんの誕生日にメールして、何十年もメール交換してきたのに、1番文章が短くて、いつも絵文字いっぱいなのに一つもなくて、ハートマークもひとつも異変を感じていました。“なんかあったの”と聞く勇気がなかった…。それから二カ月半。うろたえました。気がつけば、庭で雑草を抜きながら“何でだ”“何でだよ”と言ってました」と胸の内を伝えた。

 そして「まる子よ、順番が違うだろ。友蔵が先である。後半へ続く」と聞きなじみのあるナレーターの声でメッセージ。「じゃあね」と締めくくった。

 「ありがとうの会」はその後“まる子ちゃん声優ファミリー”がオープニングテーマ曲「おどるポンポコリン」を歌唱し、天国のTARAKOさんへ感謝を届けた。会場では、参列者のすすり泣くような声も聞かれたが、明るくTARAKOさんとの別れを惜しんだ。

 2004年から2012年まで「ちびまる子ちゃん」のエンディングテーマに使用された楽曲「アララの呪文」に「爆チュー問題」として参加していたお笑いコンビ「爆笑問題」、「爆笑問題」所属の事務所「タイタン」社長の太田光代氏らも出席した。

 TARAKOさんは事務所の公式サイトなどによると、今年に入ってから病気を患い、闘病しながら仕事を続けていたと明らかにされている。