◇パ・リーグ ソフトバンク9−4日本ハム(2024年5月6日 ペイペイD)

 タマスタ筑後での2軍戦終了後、新任の小笠原孝2軍投手コーチ(47、写真)は球場内の一室に必ず足を向ける。最新の動作解析システム「ホークアイ」を見ながら、登板を終えた投手とコミュニケーションを取るためだ。本人の感覚とボールの軌跡を照らし合わせながら意見交換する。「例えばスライダーが思っているより曲がっているのか、曲がっていないのか。それが確認できているので、いいのかな」とみている。

 現役時代は中日一筋で31勝を挙げた左腕で07年は6勝を挙げて日本一にも貢献した。12年の引退後も中日でコーチを務めて昨年はスコアラー(動作解析アナリストコーディネーター)として、「ホークアイ」などさまざまなデータを現場に還元してきた。球団や役職が変わっても信念は同じだ。「頭でっかちになってはいけないですけど、いいものは活用してもらいたい」と考えている。

 一人でも1軍で勝負できる選手を育てるべく、最新機器を駆使して背中を押していく。

◇小笠原 孝(おがさわら・たかし)1976年(昭51)11月29日生まれ、千葉県出身の47歳。市船橋では93年春、夏に甲子園出場し、夏は4強入りに貢献。明大から98年ドラフト3位で中日に入団。08年の8勝などNPB通算31勝40敗、防御率4.20。引退後は中日のコーチやスコアラーを務め今季から現職。左投げ左打ち。