◇第73回全日本大学野球選手権大会最終日 青学大2―1早大(2024年6月16日 神宮)

 東都王者の青学大が早大を下し、史上6校目の全日本連覇を達成した。

 8回から登板した“守護神”鈴木が最後の打者・前田を打ち取り、昨年同様マウンドに歓喜の輪ができた。昨年は明大を、今年は早大と東京六大学を下しての連覇。6度目の日本一に佐々木泰主将を中心に喜びを噛みしめた。

 19年から指揮を執る安藤寧則監督は常にベンチからナインに声を掛け続けた。その声に選手は勇気付けられ再三のピンチを切り抜けた。リーグ戦では終盤に負けが込み中大に追い上げられての優勝。優勝が決まるとベンチ前で拍手を送りやっと満足そうな笑顔を見せた。「チームが一枚岩で戦い切れたことが大きい。粘り強く守り抜けました。この大会も一戦一戦勝ち切れたことが大きい。反省点もあるんですが、一つ一つ積み重ねて、これからもやっていきたい」真っ黒く日焼けした顔を引き締めながら指揮官はそう締めくくった。

 バント処理を巡ってダブルエラーで先制された4回。しかし続いた無死三塁を2番手左腕・ヴァテルナが抑えると、5回に鹿田を攻め、1死三塁のチャンスに中田。2回戦から3試合連続で安打、打点を記録している首位打者が右翼フェンス直撃の同点打。さらに藤原が中前に運んで決勝の1点が入った。

 8回には1死満塁など再三のピンチを切り抜ける集中力。佐々木主将は「昨秋の神宮大会に負け、四冠はならなかった。そこからスタートした新チーム。今年こそと思って戦ってきました」と浮かれることなく喜びを口にした。

 素質のある選手を集め少数精鋭で鍛える青学スタイル。下級生にも有望な選手も多く、これからも“青学時代”が続く予感がする。