タイガース前田健太投手が1日(日本時間2日)、本拠地でのカージナルス戦に先発。6回4安打1失点で今季初勝利を挙げた。79球を投げて5奪三振で四球は0、防御率は5.02に。暖かくなるにつれて調子も上がってきており、いよいよエンジンがかかってきた。

「3番右翼」で出場したカージナルスのラーズ・ヌートバー外野手は4打数1安打に終わった。試合は4−1でタイガースが勝利し、貯金を5とした。

■「粘り強く投げられた」

今季6度目の先発マウンドに立った前田は、元巨人マイルズ・マイコラス投手との投げ合いとなった。

初回、2回をそれぞれ3人で退けると、3回は2死から初安打を許したものの後続を断ち、ここも無失点でしのいだ。4回先頭のウィルソン・コントレラス捕手に中越えソロを浴びたが、5回、6回は走者を出しながらも追加点を許さなかった。

前田はこの日、6回79球を投げて4安打1失点、無四球5三振。ヌートバーからも空振り三振を奪うなど文句なしの投球を披露し、今季初白星をマークした。

前田は試合後、「すごくホッとした」と本音を吐露。「タイガースに移籍してから最初の勝利で大事な1勝。絶好調かと言われるとそうではないが、粘り強く投げられた」としつつ、「相手打者のバランスを崩して、ハードヒットさせなかった。それは私の得意とするところ」と振り返ったという。

■キャリア通算でも5月好調の“ミスター・メイ”

前田はこの試合を迎えるまで未勝利だったが、もともとスロースタート。3、4月はキャリア通算で11勝14敗、防御率4.93と苦戦。しかし、5月の成績は11勝4敗で防御率3.65と改善する傾向が出ている。

この特徴について問われた前田は「良い質問だね」と笑いつつ、「深く考えたことはないし、答えも持っていない」と煙に巻いた。ただ、A.J.ヒンチ監督は「寒い天候でピッチングするのは楽しいことではないが、彼はそれを言い訳にしたくないんだ。でも長年に渡って何か傾向が出ていれば、それは注目されるよね」と述べ、肌寒い春先の気候が影響を与えている可能性を示唆した。

地元メディア『デトロイト・フリー・プレス』によると、この試合で前田はスライダーとスプリッターをもっとも多く投げ、それぞれ31.6%、27.8%。直球は25.3%だったが、平均球速は90.7マイル(約146キロ)で、シーズン平均(89.7マイル=約144キロ)を上回ったという。

球速も徐々に上がって来ており、この日投じた最後のボールも91.6マイル(約147キロ)の直球で、本塁打を打たれたコントレラスから空振り三振を奪った。

メジャー66勝目、日米通算163勝目となる白星を挙げ、いよいよ本領発揮となりそうだ。