タイガース前田健太投手が24日(日本時間25日)、本拠地でのブルージェイズ戦に先発登板し、今季2勝目(1敗)を挙げた。5回4安打無失点、無四球1奪三振でまとめ、防御率は5.80となった。前田はウイルス性の疾病で負傷者リスト(IL)入りしていたが、17日ぶりのマウンドで白星をマークした。試合は6−2でタイガースが勝利し、連敗を5で止めた。

■「うまくタイミングを外せた」

前田は初回、2死から3番ブラディミール・ゲレーロJr.内野手に二塁打を許してピンチを招くと、続く4番ボー・ビシェット内野手にも右前打を浴びた。しかし、生還を狙ったゲレーロは、右翼ケリー・カーペンター外野手の好返球で本塁タッチアウト。味方の守備にも助けられ、ここを無失点で切り抜けた。

その後はストレートと変化球をうまく織り交ぜ、打たせて取る投球を披露。スコアボードに0を並べると、5回(74球)を投げ終えて2番手にマウンドを譲った。

復帰登板で2勝目を挙げたベテラン右腕は地元放送局などの取材に応じ、「全部の球種をしっかり、まんべんなくコースに投げられたのが良かった」とコメント。米記者から「相手打者のバランスをうまく崩していた」と称賛されると、「三振はそんなに取れなかったが、タイミングを外しながらフライアウトなどで打ち取ることができた。(1つの)球種を狙われることなく、しっかり打ち取れたと思う」と話した。

この日はフォーシーム26球、スライダー20球、チェンジアップ18球、シンカー7球、カーブ3球を投じ、打者に的を絞らせない投球が光った。

■「もう少し空振りが取れればベスト」

久しぶりの登板で体力面に関する質問も飛んだが、「今日は5イニングということで、そこは問題なかった。戻ってきて最初の投球で勝てたことは、自分としてはすごくうれしい」とした。練習で取り組んでいるという曲がりの大きいスライダーについては「今日は良い感覚で投げられた。もう少し空振りが取れればベストだと思う」と振り返った。

チームを率いるA.J.ヒンチ監督は試合後、「彼は狡猾だった。同じボールを2回続けて投げることはなく、相手は完全にバランスを崩していた。彼の投球は創造的で、カウントが進んでからの速球も良かったし、変化球の感覚も非常に良かったと思う。そこが、彼にとっていつも重要なポイントだ」と振り返った。

前田の好投でチームは連敗をストップ。頼れる男の帰還で、巻き返しが始まりそうだ。