キリンビバレッジは6月18日、「午後の紅茶」ブランドの“レギュラー3品”と呼ばれる「午後の紅茶 ストレートティー」「同 ミルクティー」「同 レモンティー」を大きく刷新する。気温上昇の早期化に合わせ、2023年は7月頃から開始した夏のアイスティーの訴求をリニューアル後から開始し、さまざまな施策で紅茶の飲用体験を増やす考えだ。

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なかでも、2023年から行っている夏のアイスティー訴求を強めるという。夏は清涼飲料市場の最盛期だが、紅茶はホットのイメージから夏の飲料として認識されておらず、冬の方が需要が高いのが現状だという。

キリンビバレッジは、紅茶の夏の需要はまだ伸びると考え、2024年はリニューアルに加え、首都圏でのキッチンカー訪問やホテル・飲食店などと協業してアイスティーを提供し、消費者がアイスティーに触れる機会を増やすという。

6月7日に開催された「午後の紅茶」ブランドの戦略発表会で、キリンビバレッジの井上一弘社長は、「清涼飲料水の販売数量の中で、紅茶の構成比をコーヒーと同じ10%ほどに引き上げたい。そのためには倍増させる必要がある。さまざまな施策によって消費者が紅茶を目にする回数、飲む回数を増やしていく」と語った。

(左から)キリンビバレッジ井上社長と原シニアブランドマネジャー

6月18日の“レギュラー3品”のリニューアルでは、中味、パッケージ、ラベルをすべて変更する。

「ストレートティー」は、はなやかなスリランカ産ディンブラ茶葉を20%使用。茶葉の香りを引き立てつつ、すっきりとした後味に仕上げた。

「ミルクティー」は、スリランカ産キャンディ茶葉を15%使用しており、茶葉のコクのある香りとミルク感を強化することでミルクティーとしての満足感を高めた。

「レモンティー」は、フルーティーな香りのスリランカ産ヌワラエリア茶葉を15%使用。レモンの甘酸っぱいレモン感とさわやかな香りを強調した。

キリンビバレッジのマーケティング部ブランド担当の原永嗣シニアブランドマネジャーは、「紅茶のすっきりとしたおいしさと、消費者のイメージに距離があると感じている。実際に飲んでいただくことでその距離を縮め、日常生活での飲用につなげたい」と話した。

大人世代は青春時代に飲んだ思い出から、“紅茶飲料は甘すぎる”というイメージを多くの人が持っているといわれる。だが、「午後の紅茶」はリニューアルを重ねる中ですっきりしたおいしさに変わっているという。同社は、改めて手に取ってもらうことで意外な進化を多く人に伝えたい考えだ。