■第108回日本陸上競技選手権大会 女子10000m(3日、静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアム)

陸上の日本選手権女子10000mが静岡で行われ、五島莉乃(25、資生堂)が30分53秒31で優勝。パリ五輪参加標準記録(30分40秒00)を突破しなかったため、今大会での内定者は出なかった。

気温は18.4℃、湿度74%、やや涼しいコンディションとなった。スタート直後に五島莉乃(25、資生堂)が飛び出す展開。去年12月のクイーンズ駅伝1区(7㎞)でも飛び出し、区間賞をマークした。その高島の後ろには若手成長株の小海遥(21、第一生命グループ)が付いた。

最初の1㎞は3分6秒とパリ五輪参加標準記録から2秒遅れるペース、1500m付近で五島と小海が後続を離していった。2000m通過も参加標準から2秒遅れと順調なペースとなった。

4000m通過では参加標準に4秒遅れ、トップは五島で少し遅れて小海が付いていった。五島は表情を変えず、力強い走り、小海は汗をかき始め、やや苦しい表情を見せた。5000m通過すると、ペースメーカーを抜き、ペースを上げていった。ここに来て1周1分13秒。小海は完全に付いていけず離された。

6000m通過は18分30秒、参加標準記録より6秒遅れ、残り3000mでやや苦しい表情となった五島、それでも参加標準記録より10秒遅れをキープした。

苦しくなっても五島の走りは変わらずに力強い走りを見せ、残り4周に入っても1周1分15秒。最後の最後まで歯を食いしばり、残り1周でも1分15秒ペースをキープした。

ラスト1周は大きく手を振り粘りの走りを見せて3分53秒31で優勝、パリ五輪参加標準には届かなかったが自己ベストを5秒更新する走りを見せた。
レース後には「目標は40秒切りだったので、悔しさが残るレースだなと思います」と話し、「また一つ一つ、しっかり練習を積み上げて、まずは夢の舞台に立てるように。立てたらそこで勝負したいなと思います」と前を見据えた。

【女子10000m結果】※PB(自己ベスト)
優勝:五島莉乃 30分53秒31 PB
2位:小海遥 31分10秒53 
3位:兼友良夏 31分59秒29 PB
4位:矢田みくに 32分00秒08
5位:菅田雅香 32分02秒52