PRAY▶は篠井英介と合同企画として日本古典演劇の名作『天守物語』を東京芸術劇場シアターウエストで上演。松竹が協力する。
新派劇の手法を軸に、日本古典劇の様式を繊細に踏まえ、古今東西の様式を柔軟に用いてPRAY▶は現代中小劇場に最適化する「RENOVATION」に挑戦してきた。Vol4となる今回では、篠井英介との共作し、古典演劇の松竹からの協力を得て東京芸術劇場シアターウエストに上演。
「歌舞伎」と「リアリズム」という互いに相反する様式を見事に融合させた唯一無二の演劇「新派劇」の手法を軸に、能・アングラ・日本舞踊・コンテンポラリーダンス・ポエトリーラップ・邦楽・ロック・歌謡などの古今東西の手法で「今ここにしかない」演劇を作り、新ジャンルの創出と確立を狙う意欲作になる。


あらすじ
白鷺城の最上階にある異界の主こと天守夫人の富姫が、侍女たちと語り合っているところへ、富姫を姉と慕う亀姫が現れ、宴を始める。その夜、鷹匠の姫川図書之助(ずしょのすけ)は、藩主播磨守の鷹を逃した罪で切腹するところ、鷹を追って天守閣最上階に向かえば命を救うと言われ、天守の様子を窺いにやってくる。
しかし富姫に二度と来るなと戒められて立ち去るが、手燭の灯りを消してしまい、再び最上階へと戻り火を乞う。すると富姫は最上階に来た証として、藩主秘蔵の兜を図書之助に与える。この兜から図書之助は賊と疑われ、追われるままに三度最上階へ戻ってくる。
いつしか図書之助に心奪われた富姫は、喜んで彼を匿うが、異界の人々の象徴である獅子頭の目を追手に傷つけられ、二人は光を失ってしまう。そこへ、近江の匡の工人桃六が現れ、再び獅子頭の目を掘り二人に光を取り戻させ、祝福をする。


「天守物語」は極めて麗しく美しい日本語で構成された泉鏡花の代表作。幻想文学の最高峰とも称され、歌舞伎・新派をはじめ数多くの上演がされてきた名作。
恋愛モノの戯曲・耽美的な仕立てという印象が強いものの、その実は、平和や芸術への鏡花の苛烈すぎるまでの願い、人間の魂の純粋さ美しさに対する信仰、踏みにじられていく弱い者達への柔らかい愛が豊かに練り込まれている。音楽的な文体にのって極めて美しく滑らかに仕立てられている傑作といえる。

主催者は「コロナ禍以降、変質が加速し大きな転換点に立たされている社会や舞台演劇界に於いて、またやまない戦争や格差の広がりによって弱いもの達がふみにじられている現代において、まさに今上演すべき演目でもあり、劇場に出かけるだけの必然性のある体験と胸うたれる素晴らしい時間を提供できると信じています。」と述べている。


概要
PRAY▶vol.4 ×篠井英介 超攻撃型”新派劇”
『天守物語』
期間会場 :2024年8月22日(木)〜8月27日(火) 東京芸術劇場シアターウエスト
作 : 泉鏡花
構成演出 : 桂佑輔(PRAY▶/劇団新派)
ドラマターグ;長紀榮

出演 : 篠井英介、安里勇哉
林佑樹、木許恵介、マメ山田、石原舞子、喜多村次郎 / 長谷川稀世
PRAY▶澤魁士・プリティ太田・山口祥平・中村湊人・渡邉秀夫・鈴木那夫 ほか
舞台美術 : 尾谷由衣 照明 : 富山貴之 音楽 : 福田基  効果 : 渡邊紀子
フィジカルアクト : 三枝宏次 衣裳 : 富永美夏  所作指導:石原舞子
制作協力:尾崎裕子  舞台監督 : 上林英明
協力 : 松竹株式会社
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
東京ライブ・ステージ応援助成、財団法人日本芸術文化振興会
企画製作:PRAY▶、篠井英介

料金:6500円(前売り・当日)/3500円(25歳以下)
チケット発売日:2024年6月8日(土)10時〜
取扱:チケットweb松竹、カンフェティ、チケットぴあ、東京芸術劇場ボックスオフィス
アフターイベント:8月22日19時回/23日19時回/8月24日18時回/26日19時回

WEB:https://www.pray2024tensyu-monogatari.com