2000年代前半に3連覇を成し遂げたロサンゼルス・レイカーズ。その中心にいたのが、シャキール・オニールとコビー・ブライアントだ。

 2人がレイカーズに入団したのはともに1996年。シャックはオーランド・マジックからFA(フリーエージェント)で加入。コビーは同年のドラフト13位でシャーロット・ホーネッツに指名されたのち、トレードでレイカーズ入りしキャリアをスタートさせた。

 すでに怪物センターとしてNBAを席巻していたシャックと、ルーキーのコビー。当時は2人の間に大きな実力差があったが、コビーが加速度的に成長したことでリーグ最高級のスーパーデュオに昇華。2000〜02年にスリーピートを果たす原動力となった。
  最終的には両者の間に確執が生まれ、2004年にシャックが退団したことでコンビは解消されたものの、2人のチームメイトだったロバート・オリーによれば、初期の頃の2人の関係性は「見ていて素晴らしいものだった」という。スティーブン・ジャクソンとマット・バーンズ(ともに元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)がホストを務める人気ポッドキャスト番組『ALL THE SMOKE』に出演したオリーは、急成長したコビーがスターの仲間入りし、シャックとデュオを結成する様を間近で見ていた当時をこう回想した。

「(2000年の)ファイナルでインディアナ(ペイサーズ)と対戦した時、みんなその(コビーがスターの仲間入りをする)過程を見たんだと思う。しかし、我々はシーズンを通してそれを見てきた。練習でも見てきた。彼がどんどん良くなっていく様をね。彼がどれだけハードワークしているかも知っていた。そして、一番良かったのは、シャックもそれを理解していたことだと思う。

 シャックが彼にボールを渡す瞬間があった。シャックは彼の邪魔にならないようダンカーズスポットに行き、コビーに任せたんだ。だから、ポートランド(トレイルブレイザーズ)とのシリーズ(カンファレンス決勝)でダンクを決めることができたんだ。コビーに任せたからさ」
  激闘となった2000年のレイカーズとブレイザーズによるウエスト決勝第7戦、コビーのパスからシャックがアリウープを叩き込み相手の息の根を止めたシーンは有名だが、この名場面の裏に、すでにシャックがコビーを認めていた背景があったとオリーは語った。
  そしてオリー曰く「シャックは“自分の望みを叶えるためには、この男が必要だ”と気づいたんだと思う」と発言。悲願のチャンピオンリングを手にするためにはコビーの力が必要で、「自分のチームが若い選手に乗っ取られそうになったとか、ここは俺の街だとか、そんなことを考えている場合じゃないと気づいた」のだという。

 そのシャックの考え通り、コビーの成長により3度の優勝を勝ち取った2人。歴代トップクラスのレジェンドデュオとして、今なお人々の記憶に深く刻まれている。

構成●ダンクシュート編集部

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