コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、小学館のマンガアプリ「マンガワン」にて連載中の人気作品「アヤシデ 怪神手」をピックアップ。

作者の水田マルさんが3月12日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには合わせて3.2万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では水田マルさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。

■いじめられた少年の悲しすぎる結末…

萩原美月は学校でいじめに遭っていた。唯一の肉親である兄・太陽に「学校を休みたい」と告げるも、「ずる休みはダメだ」と言われてしまう。

一方、太陽は見知らぬおばあさんに「天命教」を勧められ、「テンメイ様」と出会った。教主によると、テンメイ様はどんな祈りも受け止めてくれるらしい。そこで太陽は「どうか弟を助けてやってください」とお願いし、美月のことを占ってもらった。

その後、美月に「学校でいじめられている」と告げられた太陽は「悪い星がついてるって。今度一緒にお祓いに行こう?そしたらいじめもなくなるかも」と伝える。すると、いじめの原因が自分にあると言われているように感じた美月は太陽をナイフで刺し殺した。

ベッドの上で目が覚めた美月は、「怖い夢見ちゃった」と思いながらリビングに向かう。すると、リビングには血が飛び散っていた。慌ててテレビをつけると、「小学校で凶行 児童50名死傷」と速報が…。

いじめの被害に遭っていた少年が加害者になってしまう物語。読者からは「これは良い…」「残酷なのに美しい」「ザックリ刺さりました。」「神マンガ」など、多くのコメントが寄せられている。

■「テーマは“善意の暴力”」作者・水田マルさんが語る創作秘話

――「アヤシデ 怪神手」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

1話を描いた時は当初読み切りのつもりで、「善意の暴力」をテーマにしていました。なぜそれをテーマにしたかというと、過去に母親が占いにハマっていた時期があり、その頃に私の凄く悲しかった事を全て占いのせいにされてしまったのがひどく絶望的だったからです。

私と母は特に仲が悪い訳もなく、申し分ないほど優しい母であると思っておりますが、そんな存在でも善意100%でかけてくれたであろう言葉がこれまでに人を絶望させることがあるのかとずっと心に残っており、作品にしたらきっと面白いものになるだろうと思い創作しました。

――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

「のう、汝はどうしたいのだ?」とテンメイ様が美月に話しかけるシーンがお気に入りです。息の出来ない世界で初めて息の仕方を教えてくれたのが怪物であったという感じが美しいなと。

――「ダークで魅力的」「セリフもこころに刺さる」「凄まじい漫画」など大きな反響がありましたが、コメントを読んだ時のお気持ちをお教えください。

面白さには自信ありなのでへへっと鼻をこすりました。この喜びを二度と手放したくないのでこれからも全力で頑張りたいです。

――水田マルさんの作品は「面白い」だけでなく「考えさせられる」ことが多い印象ですが、普段作品を創作するうえでどんなことを意識されているのでしょうか。

意識している訳ではないのですが何か心を強く動かされた出来事に対して、自分なりの答えを出すように作品を作ることが多いです。自分の考えや答えはそのままでは料理にならないので、自分の大好きなものを沢山混ぜて美味しくなるように心掛けています。

――今後の展望や目標をお教えください。

毎週もがくように話を作っていますがいつか完成した時、伝説と呼ばれるような物語になっていれば嬉しいです。

――最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いいたします。

アヤシデのこと見つけてくれて本当にありがとうございます!いっぱい驚かせたいから覚悟してて!