アニメ「怪獣8号」(毎週土曜夜11:00-11:30ほか、テレ東系列ほかにて放送/X(Twitter)にて全世界リアルタイム配信/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Lemino・TVerほかで配信)の第3話「リベンジマッチ」が4月27日に放送された。今話では防衛隊員選抜の二次試験に突入。夢を掴むために奮闘する日比野カフカ(CV.福西勝也)だったが、体力審査では周囲についていけず散々な結果に。自分がイメージしているように体が動かない…。悲しい30代の衰えに、視聴者からは共感の声が集まった。(以下、ネタバレが含まれます)

■認めたくないものだな、30代の衰えというものを

少年時代に交わした亜白ミナ(CV.瀬戸麻沙美)との約束を果たすため、防衛隊員の選抜試験に再び挑んだカフカ。年齢制限いっぱいのカフカにとってはこれがラストチャンスだが、32歳、体力の衰えは厳しかった。

なにしろ体が思ったように動かない。ブランクがあるとは言えトレーニングは続けているし、毎日の怪獣の解体作業だって楽にこなせる仕事じゃない。それでも体は重く、キレはない。以前の受験では中の下くらいには食い込めたらしいが、今回、若い受験者との差はあまりにも歴然だった。体力審査の結果はほぼビリ同然で、吠え面をかかせるはずの四ノ宮キコル(CV.ファイルーズあい)に、逆に吠え面をかかせられる始末となってしまった。

本作は挫折したアラサーの主人公が再び夢を追いかける姿が共感を呼び、人気を集めた1つのポイントだ。そうした意味では今話、カフカが突きつけられた30代の現実は、同世代以上の視聴者から共感を呼び込むシーンになっていた。

「これが30代の衰えってやつかあ!?」と嘆くカフカに、SNSでは「30代の衰えは怖いゾ」「若さって羨ましいよね…」「わかる、わかるよ…!一気にきますからねw」「30代は若いという人いるけど、疲れはとれんし筋力落ちるしちょっと走ると痛感する年代」など、アラサー到達者の実体験が様々に寄せられていた。

■怪獣と戦うためには必須。防衛隊員のスーツの秘密

まだ放送されて3話目。アニメからの新規層にはいろいろ分からないことが多くあるだろう。第1話で「近代兵器が効かない怪獣相手になぜ防衛隊は挑めるのか」「この武器をヘリや戦車に装備させればいいんじゃない?」といった疑問の声も上がっていた。それへのアンサーとなったのが、怪獣対策スーツの装着シーンだ。

防衛隊員が着ているおそろいのスーツは、対怪獣兵器メーカーの出雲テックスが開発したものだ。市川レノ(CV.加藤渉)が、「すごい…! 服が体に吸い付くみたいだ」「体と一体化していく。筋肉が膨らむのが分かる」と驚いたように、怪獣の生体組織から作られたこのスーツは装着者に合わせて形状同化し、身体機能、運動能力を飛躍的に増加させる。

どれだけスーツの力を引き出せるかは装着者の適性次第で、それは解放戦力という数値で表される。解放戦力が高いほど対怪獣武器の威力も上昇し、そのためヘリや戦車に武器をただ装備しても意味がない。今話終盤でキコルが見せたように、市街地であればなおのこと機動力を持った人間が直接持って白兵戦を挑んだ方がよいということだ。

ちなみにすでに公式サイトで明かされていることだが、支給されたスーツを見て「GX-4552か」と感心したように呟いていた出雲ハルイチ(CV.河本啓佑)は、出雲テックスの御曹司だ。出雲のほか、古橋伊春(CV.新祐樹)、神楽木葵(CV.武内駿輔)たち有望株と評される彼らがカフカとどう関わってくるのかは、今後のストーリーの楽しみなポイントだ。

■諦めない心が生んだ0.01パーセントの解放戦力

カフカのリベンジエピソードとなった今話。ハイライトとなったのは、やはり終盤の怪獣討伐のシーンだろう。解放戦力46パーセントという、すでに小隊長レベルのキコルは他の受験者を置き去りにして、全ての見せ場をかっさらっていく。

一方、アラサーゆえか、それとも怪獣になってしまった影響なのか。いくら気張ってもスーツ適性ゼロだったカフカはレノとともに解体業の経験を生かしてサポート役に徹するが、それも束の間のこと。潜んでいた余獣に死角から襲われて、あっけなく重傷を負ってしまう。

間一髪キコルに助けられたものの、カフカは左足を含め複数個所を骨折。保科副隊長からはリタイアを勧められるが、それは絶対に受け入れられないものだった。必ずミナの隣に立つ。もう二度と夢を諦めないという強い意志で立ち上がる。すると、これまで無反応だったスーツの解放戦力は0.01%に。

アニメオリジナルの追加演出に、「カフカの執念を感じさせる0.01パーセント!」「原作よりカッコよくなってる!」「すごいぞカフカ!たった0.01でも何かが変わるはず!」など、SNSでは現実に抗うカフカの姿に興奮の声が飛ぶ。選抜試験合格に向け、ここから逆転の目はあるのだろうか。

放送後には、「怪獣の力を使わずに突き進むことができるのか、カフカの背中に夢見てしまうな」「辛酸続きのカフカ。経験と志が原動力となり、どんな逆転劇を見せてくれるのか」といったカフカに期待する声が多数集まる。さらに、「発破をかけるキコル。案外いい子かも?」「レノは本当にいい保護者」「カフカ→ミナ、分かる。ミナ→カフカはどう思ってるのかね?」など、キャラクターそれぞれにも様々な感想が寄せられていた。

■文/鈴木康道