TVアニメ「戦隊大失格」(毎週日曜昼4:30-5:00、TBS系/ディズニープラスで定額制見放題独占配信)の第7話「ジグザグ最終試験ロード!」が5月26日に放送・配信され、獅音海を演じる小野友樹が“声優の腕の見せどころ”となるシーンで圧巻の演技を披露した。(以下、ネタバレがあります)

■「戦隊大失格」とは

同作は、連載が終了した現在でも根強い人気を誇る「五等分の花嫁」の春場ねぎが、世に放つ予想不能な異色のヒーローバトルコミックをアニメ化したもの。毎週末に地上侵攻を繰り返して敗れ去る怪人の下っ端戦闘員・戦闘員D(CV:小林裕介)と、ヒーロー像とかけ離れた竜神戦隊ドラゴンキーパーとの対決を描く。「毎週末、地上に侵攻して敗れ去る」という出来レースに嫌気が差した戦闘員Dは、実際にドラゴンキーパーを倒すため地上へと降り立ち、なんとかドラゴンキーパーに近づこうと奮闘する。

第7話では、桜間日々輝(CV:梶田大嗣)に扮(ふん)して大戦隊に潜入した戦闘員Dは、正隊員試験でペアを組む獅音海(CV:小野)に振り回されながら奮闘。この試験が合格者を出すための試験ではなく落とすための試験であることに気付き、その厳しさに閉口する。試験2日目、獅音は他の組の候補生である浦部永玄(CV:山下誠一郎)、雪野アンジェリカ(CV:鬼頭明里)、石川宗次郎(CV:濱野大輝)、明林恋蓮(CV:黒沢ともよ)と手を組んで試験突破を目論む。獅音に裏切られた戦闘員Dは、来栖大和(CV:逢坂良太)や薄久保天使(CV:三上枝織)といった残った候補生たちと協力し合い、獅音らを出し抜こうと動きだす。

■獅音が大戦隊に入った理由も判明

そんな中、獅音が大戦隊に入った理由が描かれる場面も。獅音は4年前、怪人の幹部に当時隊員だった兄を殺されており、兄の仇を討つために正隊員合格を目指していた。この自身の過去を語る獅音を演じる小野の演技が圧巻。胸の奥に潜む復讐(ふくしゅう)心があらわになり、語り出すと止まらないような熱がこもったせりふ回しで、これまでとは微妙にトーンを変えていた。過去にとらわれてはいるが“復讐”という何としてもかなえたい目標のためになりふり構わず前に進んでいる時とは一線を画した演技が、キャラクターの人間らしさを際立たせている。

主役とは違って、背景が描かれる時間が短いキャラクターにおいては、その限られた時間でどれだけキャラクターのバックボーンを映し出せるかが声優の腕の見せどころとなるが、このあたりは「さすが小野友樹」といったところ。これから背景が描かれるであろう他のキャラクターを演じる声優たちの演技も楽しみにさせてくれるほどだった。

SNS上にも、獅音の明かされた過去について「獅音にこんな過去があったのか、、、」「復讐か…」「そんな辛い過去が…」「悲しき過去」「兄の仇か」など、大きな反響が寄せられた。

◆文=原田健