堀越耕平による大人気コミックを原作としたTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」(毎週土曜夕方5:30-6:00、読売テレビ・日本テレビ系/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)の第144話が6月8日に放送された。ついに開幕したヒーローvs敵(ヴィラン)による決戦。心操人使や物間寧人が大活躍を見せる回に胸を熱くさせる視聴者が相次いだ。(以下、ネタバレを含みます)

■「僕のヒーローアカデミア」

本作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて2014年32号より連載中の堀越耕平による人気コミックを原作としたアニメ作品。総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持つ世界を舞台に、“無個性”の少年・緑谷出久(通称:デク、CV:山下大輝)が、憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトの“個性”を受け継ぎ、名だたるヒーローを多く輩出する雄英高校のクラスメイトたちと共に最高のヒーローを目指していく物語だ。

“ヒロアカ”の愛称で親しまれ、原作漫画は現在40巻まででシリーズ世界累計発行部数が1億部を突破。現在テレビアニメ第7期が放送中、さらに劇場版第4作「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」が8月2日に公開予定となっている。

■心操の“努力”が実る展開に胸熱

ヒーローと敵(ヴィラン)による決戦がついに開始。巨悪オール・フォー・ワン(AFO/CV:大塚明夫)の意表を突くように、黒霧(CV:藤原貴弘)の“個性”であるワープゲートからヒーローたちが現れる。

遡ること数日前、オールマイト(CV:三宅健太)と塚内直正(CV:川島得愛)がデクたちに最終プランを伝えにやってきた。第一にAFOの居場所を特定するのは極めて困難であり、どうにかして誘き出す必要がある。相澤消太(CV:諏訪部順一)はヒーロー側が悪手を取り続けていると見せかけた上で、青山優雅(CV:桑野晃輔)にAFOを任意の場所に呼び出してもらう作戦を考えた。

だが、AFOは即座に相手の嘘を見抜く“個性”を所持していると見られ、嘘がバレたら青山や家族に危険が及ぶ可能性も。そこで、オールマイトたちが考えたのは心操人使(CV:羽多野渉)の“個性”の活用だ。

彼の“個性”は、自身の問いかけに答えた相手を操ることができる“洗脳”。本来はとても強い“個性”だが、一方で洗脳した相手を喋らせたり、複雑な命令に従わせたりすることはできないという弱点があった。しかし、相澤との訓練により、喋らせることが可能になったのだ。青山とその両親を洗脳した上で喋らせれば、そこには心操の意思も青山たちの感情も介入しないので、こちらの嘘がバレることなくAFOと連絡を取ることができる。

元々はヒーロー科志望だったが、雄英の実技試験と“個性”の相性が悪く不合格となり、普通科に入学した心躁。それでもヒーローになるという夢を決して諦めず、努力し続けたことで得た力がみんなを援ける。ヒーロー科1年A組のみんなが興奮した様子で心躁を取り囲む光景に思わず胸が熱くなった。

■“誰もが主役”を思わせるヒーローたちの戦いぶり

そしてもう一人、この作戦の鍵を握る人物がいた。それは、ヒーロー科1年B組の物間寧人(CV:天﨑滉平)だ。青山の協力と心操の“洗脳”により、AFOを誘き出すところまではクリアしたとする。だが、そこに大量のヒーローたちが待ち伏せていたら、すぐに相手に気づかれて敵(ヴィラン)を一網打尽にする作戦は破綻するだろう。そこで、物間が黒霧の“個性”をコピーし、敵(ヴィラン)が現れたところで、その場にヒーローたちをワープさせたのだ。

かつて「その“個性”じゃスーパーヒーローになれない」という言葉をぶつけられていた物間。一見自信家で、皮肉屋でもある彼の性格はそのコンプレックスの裏返しでもあるのかもしれない。そんな物間に、担任のブラドキング(CV:松田修平)は「この作戦は誰が欠けても成り立たない」と告げる。

「脇役なんていない。これまでもこれからもおまえが主役だ!」

プラドの言葉を裏付けるように、ヒーローたちは一人ひとりの力を集結し、ヴィランに立ち向かっていく。まずは敵(ヴィラン)を分断するためにシステム「誘導牢(トロイア)」で彼らの動きを封じ込め、ワープで日本各地へ小分けに分割。死柄木弔(CV:内山昂輝)は一人、空に浮かぶ雄英校舎に送られる。

名付けて「天空の棺」は、発目明(CV:桜井しおり)が考案した対死柄木用の舞台だ。周りには外に出られないように電磁バリアが張られている上、地面には死柄木の個性“崩壊”の伝播を防ぐための装置が施されている。その資材やエネルギーの供給は八百万百(CV:井上麻里奈)や上鳴電気(CV:畠中祐)ら雄英の生徒たちが担っていた。

さらには右目を失った相澤の“個性”を物間がコピーし、死柄木の“崩壊”を“抹消”する。まさに、誰一人として欠かせない壮大な作戦だ。誰もが主役であることを、ここまで体現した戦いぶりがかつてあっただろうか。

■死柄木の攻撃を受けたミルコを心配する声も

しかし、ある非常事態が起きる。「天空の棺」に移動するはずだったデクが直前でトガヒミコ(CV:福圓美里)に引っ張られ、別の場所へワープしてしまったのだ。

そんな中で、ベストジーニスト(CV:緑川光)やミルコ(CV:木下紗華)が死柄木に立ち向かう。だが、おびただしい数の指が生えた死柄木の手が伸び、ミルコはその一撃をまともに食らってしまった。

そんな第144話の放送後は、SNSで作戦に尽力した心操と物間に「君は私にとって
最高の主役でスーパーヒーローだよ」「敵(ヴィラン)向きの“個性”って言われてた心操くんと脇役の“個性”って言われてた物間くんがって思うと涙止まらんよ」「2人ともプルスウルトラしててすごい!!!」「心躁くんと物間が最高すぎて恋した…」という声が上がる一方、現時点で生死不明なミルコを「ミルコ大丈夫!?大丈夫でいてくれ…!!」と心配する声も上がっている。

■文/苫とり子