5月からオリーブオイルなど多くの食品が値上げとなり、飲食店からは悲鳴が上がっています。名古屋市のスーパーでは、“少しでも安く売る”ための工夫をしていました。  帝国データバンクによると、5月も417品目の食品が値上げ予定で、値上げ率は平均31%と、調査が始まった2022年以降で過去最大だということです。  名古屋市中川区のスーパーでも、値上げに頭を悩ませていました。 ウシヒロ八熊店の食品担当: 「カルピスで有名なアサヒさんとか、こちらは今のところ値上げの予定があると。先日、UCCさんが値上がりすると。値上げをしていかないことには、うちの方も大変です」

 特に値上げ率が高いのが、大手食品メーカーのオリーブオイルです。最大60%ほど値上げする商品もあります。  記録的な干ばつでオリーブの不作が続き、在庫不足が続いているといいます。

ウシヒロ八熊店の食品担当: 「朝入荷してきて、今並べ終わったところなんですけど。昨日の時点ではゼロでした。入荷は以前に比べて激減しています」  在庫不足なども影響し、現在は450g・1000円ほどで販売している商品を、5月半ばからは1200円ほどに値上げする予定です。家計には大きな痛手ですが、店側も価格を抑えるための工夫をしていました。 ウシヒロ八熊店の食品担当: 「不作になる前の在庫品、ストック品の油があって、意外とまだお値打ちに販売できる」  繰り返される値上げを見越し、予め大量に仕入れておいたオリーブオイルを、「在庫限り」という条件で900g・1079円の価格据え置きで販売しています。

 値上げに頭が痛いのは、消費者も同じです。 女性客: 「もう買われへん、買われへん。高いね。お給料は上がらないのにね」 別の女性客: 「どこ見てもオイルは高い。(値上げは)もう痛いな〜、本当に痛い」  飲食店にとっては死活問題です。地元の魚介や野菜にこだわっている名古屋市東区のイタリアンレストラン「montalcino(モンタルチーノ)」で話を聞きました。 MIPROVINIの山口太郎社長: 「(メニューの)90%くらいは使っている。5〜6年前は半値くらいだったんじゃないかな」

 イタリアンにはオリーブオイルが欠かせません。山口さんによると、毎月4本ほど購入しているという5Lの業務用オリーブオイルは、5〜6年前は5000円前後でしたが、今では1万円以上になっているということです。

MIPROVINIの山口太郎社長: 「国内の状況だけではなくて、向こうのいろんな経費全般的に上がっていると思いますので、もちろん輸送コストも上がっている、円安の影響もあるということを考えますと、あらゆる影響が上がる要素しかない」  現状、メニューの値上げは考えていないということですが、今後の動向を心配しています。 MIPROVINIの山口太郎社長: 「こればっかりはどうしようもないものですから。ゲストに対して提供するお料理やワインのクオリティーをいかに引き上げていくか。高くなったので何かを引いていくようなものではなくて、逆に積み上げていけるような何かが必要ではないかなと考えています」