26日朝に発生した「台風1号」は27日夕方現在、フィリピン近海をゆっくりと北上中です。28日から29日にかけては、広い範囲で警報級の大雨の可能性が出ています。2023年もこの時期に大雨が降り大きな被害が出ていて、農家は対策に追われています。  台風1号は、日本からまだ遠く離れている場所からでも、暖かく湿った空気をどんどん送り込んでいます。今後、さらに湿った空気が流れ込むため、28日から29日にかけて、広い範囲で警報級の大雨の可能性が出ています。

福島智之気象予報士: 「東海地方の雨のピークは、朝から降り始めて夕方以降・夜になるかとみています。去年6月も同じような傾向でした」  2023年6月2日、台風は遠く離れた奄美付近にあったものの、三重県南部から豊橋市にかけて線状降水帯が2度も発生しました。

 豊川市では広い範囲で冠水が発生し、道路や駐車場はまるで海のような状態となりました。豊橋市や新城市などでは6月で降る1カ月分の雨が1日で降り、東海道新幹線も20時間以上にわたってストップしました。

 豊川市でじゃがいもを育てる農家・小野田泰博さんの畑では、農業用ハウスの半分ほどの高さまで浸水し、物置にも水が入り込んで、重機が使いものにならなくなってしまいました。

 畑の農産物と農作機械の被害が約1000万円ほどあったといいます。  豊川市の農家・小野田泰博さん(23年6月): 「農業できません。これから収入どうしましょう」  被害から1年、改めて畑をたずねると、28日から予想される大雨に備えて、農作機械を移動させるなど対応に追われていました。23年6月の豪雨のあと、農作機械を買い替えていました。 小野田さん(5月27日): 「今日雨が降るということだったので、この上に機械を動かした。去年水没してしまって、その後、新しく買ったんですよ。(去年に)生き残ったじゃがいもがこいつで。水についてしまうと腐ることになる。また被害にあうのかよと。なんともできず、半ば諦めている」

 豊川市内のホームセンターでは、通常の土嚢袋に加えて、水につけて膨らむタイプのものが販売されていて、大雨に備えて買いに来た客の姿もありました。

女性客: 「去年、車のドアを開けると水が入ってくるくらいの深さになったので。同じことを繰り返さないために、これ(土嚢)を置いたらいいかなと」 男性客: 「明日ちょっと心配で、玄関先に使おうかなと思います。去年も駐車場に(水が)入ってきていたので。毎年心配度が広がっていくというか。少しでも準備しておこうかと」  大雨は28日午後からピークを迎えるとみられていて、早めの準備が必要です。