陸上自衛隊の隊員だった男が自動小銃を発砲し、3人が死傷する事件が起きた岐阜市の射撃場で22日、射撃訓練が再開されました。訓練は、隊員の“中指を立てる”などの行為もあり、これまで2度にわたり中止されていました。  岐阜市の陸上自衛隊・日野基本射撃場で22日、実弾を使った射撃訓練が再開しました。隣接する住宅街にも、低く鈍い発砲音が響きました。

 2023年6月に射撃場で起きた銃撃事件では、実弾を使った訓練中に、当時18歳の隊員の男が突然、自動小銃を発砲しました。 近所の人(2023年6月): 「隊員の方のすごい叫び声が聞こえたので。『おーい』とか「早くしろ」というのは聞こえまして、その後に『AEDを探せ』というのは聞いています」  凶弾に倒れた3等陸曹の八代航佑さん(当時25)と、1等陸曹の菊松安親さん(52)が死亡し、当時25歳の男性隊員が大ケガをしました。

 射撃訓練は、事件から約5カ月後の23年11月に1度再開されましたが、その当日に、隊員のあきれた行動で再び中止されています。  車両に乗った20代の男性隊員が、報道陣に向かって“中指を立てる”信じられない行動をとりました。

 さらに、同じ隊員は“ピースサイン”もしました。

 訓練は、“中指”と“ピースサイン”の不適切行為で、2度目の中止となっていました。    訓練が再開した22日、射撃場の入り口には訓練中を知らせる赤い旗が掲げられ、約50人の隊員が訓練を行いました。

 射撃場の前には、再開に反対する市民の姿もありました。

近隣住民: 「今度は住民が鉄砲で撃たれるんやないかなと僕は思うんです。中止してもらうのが一番」  隊員3人に対する強盗殺人などの罪で起訴された元隊員の男(19)は、弾薬を奪う目的で自動小銃を発砲したとみられていて、陸上自衛隊は訓練再開を前に再発防止策を公表しました。  指導担当の隊員とは別に「補助者」を配置して隊員の状態を客観的に把握することや、隊員の手元に小銃と弾薬が同時にある時間を限定するなどの対応をするといいます。

近隣住民: 「安全対策をとってやられているというのは伝わってきますし。(不安は)ないです」 別の近隣住民: 「慎重に対応されているのかなという感じはします。従来通りにやっていただければいいのかなと思っています」  国民を震撼させ、自衛隊員への信頼の失墜にもつながった事件は、24年6月で1年を迎えます。