日没後のライトアップされた東京タワー(東京都港区)を仰ぐと、カラフルなこいのぼりがオレンジ色に染まる巨大な鉄骨に吸い込まれ、塔の頂を目がけて登っていくように見えた。

 5月5日の端午の節句を前に、東京タワー正面玄関前の上空で、高さにちなんだ333匹のこいのぼりが泳ぐ。都心で見かけることが減った風習に親しんでもらう春恒例のイベントだ。

 「来塔者は昨年度200万人を超え、ほぼコロナ禍前の水準に」と広報担当者。半数近くを占める外国人観光客は、首都のシンボルと伝統の競演に出合い「映え写真」の撮影に夢中だ。こいのぼりは6日まで掲げられる。 (戸上航一)