関東信越国税局は1日、群馬県の2024年分の路線価(1月1日現在)を発表した。

 県内では、9税務署管内の最高路線価のうち、前橋市、草津町の2地点が前年より上昇した。上昇した署があるのは3年ぶり。前橋市内で上昇したのは1992年以来で32年ぶりとなる。税務署管内の最高路線価はいずれも前年と同じ路線だった。

 前橋市は昨年まで9年連続横ばいだったが、中心街の再開発による複合施設オープンなどで回復傾向になった。事務所需要が好調で上昇につながった。県庁所在地の順位では全国45位と変わらなかった。草津町は観光客が順調なことが追い風になった。

 県内最高地点は、34年連続でJR高崎駅西口駅前の市道高崎駅・連雀町線。路線価は4年連続で横ばいだった。人口約37万人の都市としては地価が高水準となっており、駅周辺でマンション開発が進むものの、新たな起爆剤にはならなかった。

 ほかは、太田市と伊勢崎市、藤岡市が横ばい。沼田市は7年連続横ばいから下落に転じた。富岡、桐生の両市は5年連続下落。人口減少とともに、高齢化により再開発事業が進まず、低迷につながっている。

 路線価の基となる標準宅地の対前年変動率平均値は0.5%減で、32年連続で下落となった。(羽物一隆)