ソフトバンクの周東佑京内野手(28)は開幕から対戦が1巡した14試合を終えて、リードオフマンとして際立った成績を残している。

 リーグ2位の打率3割6分8厘、同3位の出塁率4割3分1厘、いずれも同トップの21安打、7盗塁、15得点(15日時点)。13日の西武戦では自身初の1試合5安打、全6打席出塁をマークして、11試合連続得点も記録した。「世界の周東」と称される韋駄天が恐怖の1番打者として、パ・リーグを席巻している。

 球団の期待に応えようと、自覚と責任を結果で示している。常勝再建を目指す鷹の未来を見据える上で攻撃のキーマンこそ周東だ。現場トップの小久保監督とともに、フロント視点でチーム強化に当たる城島球団会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーター(SD)は「昨年までの成績ではチームもフロントも困ります」とハッパをかけてきた。

 春季キャンプではアーリーワークで打撃力、出塁率アップを目的に早朝講義を連日敢行。周東は「打てるカウントにどうやって近づけていくかという話。今までバッティングカウントとかで振っていったところを我慢すれば四球が取れるとか、ファウルにするとか。そういうのを年間で何打席か稼げれば、3割に近づくって話をしてもらった」と明かす。

 講義内容を実践して結果につなげている。「城島さんに口酸っぱく言われてるんで」とちゃめっ気たっぷりに語る周東だが、レジェンドの熱い思いを受け止めているからこその結実。一方の城島SDは周東に夢を託している。

「彼が塁上を駆け巡っているとワクワクするような、そういう打線のイメージを小久保さんに持ってもらいたい。ホームランも華だけど、あの快足が走るぞって分かってるところで塁を盗むってのは一つの魅力なんで。そういうワクワクさせられる選手。そのために塁に出ないといけないからスキルアップの話をしたまでです」

 10勝4敗と好スタートを切ったホークス。同じ方向を向いた巨大組織が、常勝再建へ好転の兆しを見せ始めている。