【カリフォルニア州ロサンゼルス17日(日本時間18日)発】ドジャースの大谷翔平投手(29)は本拠地でのナショナルズ戦に「2番・DH」で先発出場し、打球速度95マイル(約152・9キロ)以上のハードヒットに分類される弾丸安打を3本放ち、4打数3安打、1盗塁だった。今季31安打はメジャートップタイで打率3割6分はナ・リーグ4位。ゴジラ超えとなる日本選手最多の176本目の本塁打は5試合連続でお預け。チームは今季初の零敗で2カード連続負け越しとなった中で唯一の光明だ。

 屈辱の零敗の中、大谷の弾丸ショーがチームにとってもファンにとっても救いになった。幕が上がったのは2点を追う初回一死無走者だった。相手先発の右腕アービンの1ストライクからの2球目、内角高めに食い込んできた92・3マイル(約148・5キロ)のカットボールを強打。甲高い打球音を発した打球速度107・9マイル(約173・6キロ)の弾丸ライナーはあっという間に右前に弾んだ。

 6回先頭はカウント1―2からの4球目、外角低めの80・6マイル(約129・7キロ)のカーブをバットの先で拾って振り切る技ありの一打。打球速度106・7マイル(約171・7キロ)で右前に運んだ。マルチ安打は2試合連続、今季10度目。

 8回二死無走者は3番手の剛球右腕ハービーと対戦。98マイル(約157・7キロ)台のフォーシームで押し込まれるも力負けしなかった。カウント2―2からの6球目、98・6マイル(約158・7キロ)の外角フォーシームにバットを合わせて押し込んだ。打球速度99マイル(約159・3キロ)の痛烈なライナーは中堅左に飛んだ。続くフリーマンの3球目に二盗に成功したが、得点につながらなかった。

 3安打は5試合ぶりで今季3度目。31安打は試合終了時点で同僚のベッツ、アストロズのアルテューベと並んでメジャートップタイだ。打率を3割6分に上げ、ナ・リーグ4位につけている。

 一方、得点圏では3月20日の韓国・ソウルでのパドレスとの開幕戦の8回一死一、二塁で左前適時打を放って以降、2犠飛を含み20打席無安打。通算19打数1安打、打率5分3厘、4打点とサッパリ。米メディアでも厳しい論調が出ているが、悲観する必要はない。

 今季は打球速度約152・9キロ以上のハードヒット(凡打も含む)、弾丸打球が増えているのだ。試合終了時点でハードヒット42本は堂々メジャートップ。ちなみに昨季は193本でメジャー42位だった。開幕から21試合とサンプルは少ないが、進化している。それも怪物的にだ。

 打者専念で集中力が増しているのに加え、MVPトリオのベッツ、フリーマン、4番スミス、強打のマンシー、勝負強さを発揮しているT・ヘルナンデスらから刺激を受けているのだろう。打球速度が速くなっているということは、角度が付きさえすれば柵越えも自然と増加する。現在は量産前の小康状態といえそうだ。

 前日、3度の得点圏でいずれも初球打ちで凡退したことに「好機で積極的になり過ぎている部分はある。われわれで手綱を締める必要があるかもしれない」と苦言を呈したロバーツ監督も一転、絶賛。

「大谷はファンタスティックだった。とても良い仕事をしたと思うよ。良い投手ら相手にね。ストライクゾーンをうまくコントロールし、実際にゾーンに入ってきた時には、強く打った。このまま続けられれば、彼の能力ならさらに良くなると思う」。指揮官も予感しているようだ。

 背番号「17」が豪快なアーチを連発するのは時間の問題だ。待ち遠しい。