開幕まで100日を切ったパリ五輪を前に〝負の遺産〟が、思わぬところにまで影響を及ぼしている。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、東京五輪は1年延期となり2021年に行われた。安全面や経費の増大などを理由に中止を求める声もあった中で開催にこぎつけるも、22年夏以降に汚職問題が次々と発覚。東京地検特捜部の捜査により、大会組織委員会や広告代理店、協賛社による不透明な資金の流れが明らかとなった。

 受託収賄罪に問われた組織委員会元理事の高橋治之被告は無罪を主張。組織委員会で会長を務めた森喜朗元首相の証人を要請する一方で、いまだ全容は把握できておらず、日本国民の不信感は高まっている。

 17日には日本選手団がパリ五輪・パラリンピックの表彰式や選手村で着用する公式スポーツウエアが発表された。スポーツメーカーのアシックスは「パリの日の出」をイメージして製作したというが、大きな話題になっていない。

 関心度の低下にはあるスポーツメーカーの関係者も不安顔だ。同関係者は「昔は五輪の表彰式を見て『あの選手が着ているからウエアが欲しい』ということはあったけど、今はかなり減っている」と指摘。利益面の観点からも「今の状態では黒字になることはないだろう。おそらく赤字だろうね。それを広告費として割り切るならまだいいかもしれないが…」と厳しい見方を示した。

 真夏の祭典へのイメージは低下するばかり。パリ五輪はかつての大会のように盛り上がるのだろうか。