パリ五輪のサーフィン競技は、パリから約1万5700キロ離れた南太平洋に位置する、フランス領ポリネシア・タヒチ島南部のチョープーで行なわれる。
【動画】“神の領域”チョープーに建った“新しい審判塔”と美しすぎる“地上の楽園ポリネシア”の絶景を地元写真家が激写

 競技の開催を巡り、物議を醸していた審判員などが使用する審判塔が3月に完成。完成後の現状について 、1964年創刊のアメリカの老舗サーフィン専門誌『SURFER MAGAZINE』が4月30日までに「チョープー五輪の審判塔: 悪くないかも? 環境問題への懸念から請願が出され、物議を醸したアルミ製構造物の舞台裏に迫る」と題した記事を更新し、報じた。

 米老舗サーフィン専門誌『SURFER MAGAZINE』は懸念されている環境への影響について言及した上で「長年チョープーのサーフフォトグラファーとして活躍しているティム・マッケンナ氏によると、チョープーとサーフィンの未来にとって、新しい審判塔は悪いことではないらしい」とチョープーに建設された“新しい審判塔”について綴り始めた。

 同メディアは地元写真家・ティム氏の見解を引用し「新しい審判塔の周辺にサンゴはほとんど見当たらなかった。平らな棚に小さなサンゴの頭が広がっていて、サンゴに覆われた大きな岩がいくつかあるぐらいだ」と綴り、タワー周辺の現在の状況を報告し、続けて同メディアは「チョープーの美しい自然の中に審判塔があるなんて目障りだと思っている人のために言っておくと、折りたたみ可能だ」と綴り、読者の不安を一掃した。

 その上で再びティムの見解を引用し「新しい審判塔は決してオリンピックの為だけのものではない。折り畳み式のタワーで、大会の際にだけ組み立てられるもの。タヒチのみで設計・製造されたアルミニウム製の構造体は安全上の理由から、ようやく認定を受けることができた。これは、タヒチ政府が今後20年間チョープーで開催されるサーフィン・イベントのために行なった大きな投資だ」と物議を醸した新しい審判塔について好意的な見解を示している。
  最後にティムは、チョープーでのパリ五輪開催について「フリーサーフィンの撮影を好んでいる。だからチョープーでの五輪がなくなっても気にしない立場だ」と言及したうえで、しかし「新世代サーファーたちの情熱に火をつける最高のきっかけになる」と話した。

 さらに「もしチョープーがこのタワーを望まなければ、XXLのうねりが新しい審判塔を破壊するだろう。もしチョープーがオリンピックを望むなら、地球上で最高のショーを見せてくれるだろう」と記し、最終的には自然界が判断するという“サーファーらしい”メッセージで締め括っている。

 なお、パリ五輪のサーフィン競技は7月27日から30日の4日間、タヒチのチョープーで開催予定。“波乗りジャパン”(サーフィン日本代表)からは五十嵐カノア、コナー・オレアリー、稲葉玲王、松田詩野の4選手が出場する。世界最恐の波“チョープー”に挑む、日本人選手のメダル獲得に期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

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