ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)が挑戦者ルイス・ネリ(29=メキシコ)と行う防衛戦(5月6日、東京ドーム)が近づく中、専門家による試合予想も活況を呈している。亀田三兄弟の父で、三男・和毅(TMK)のトレーナーを務める史郎氏(58)がユーチューブ「亀田史郎チャンネル」で大一番の行方を占った。

 動画に出演したTMKジムの金平桂一郎会長は「結局は尚弥が勝つと思っている。KOで」としながらも、〝万が一〟のシナリオを予測。「それなりに実力がなければ、山中(慎介)に2回も勝てない」「井上尚弥選手の少ない欠点の一つは中盤、少し気が抜けるところがなくはない」「この間のタパレス戦も右フックを何回かもらってる。タパレスは1発で終わるんだけど(ネリは)どんどん打ってくるから。5、6、7ラウンドぐらいにあるかな…」と番狂わせの可能性を指摘した。

 一方で、史郎氏は「俺の予想は、ネリの勝ちですわ。『井上が嫌いやから』とか、そんなんじゃないで。俺もボクシング、ド素人よりは分かるから」と断言。「ネリは捨てるものがない。(井上を)一発、食うたろかと。(下馬評で負けると)言われてるから、こんなにやりやすい試合はない。(井上は)前回のタパレス戦もロープ際が多かった。決してファイターが好きじゃない。ネリは正直、パンチあるよ。左フックはバケモンやから。たぶん、やってる時に驚くと思うし、意外と器用」と根拠を説明した。

 その上で、史郎氏は「ネリは今回、捨てるものがない。とにかく勝ったらえげつないことになるというのは分かってるから。こいつは人生を全部かけてきよる。だから、俺は今回、食うてまうんちゃうかと。俺の予想は食うてまうで」とネリのモチベーションの高さを重ねて強調。さらに「それと、東京ドーム。魔物がいてます。やっぱりジンクスとかあるから」とし、1990年2月に同会場でマイク・タイソンが伏兵のジェームス・ダグラスに敗れた〝世紀の大波乱〟の再現を予想した。